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2009年02月10日

ベトナムに別れを告げず Indochina Capital


2008年、Indochina CapitalのNAVは53.8%下落し、
VN-Indexの下落幅66%より低い。
VND/USDの為替レートの変更を計算に含めると、
Indochina CapitalのNAVの下落はVN-Indexの下落より21.5%低い。


2007年3月7日は、
Indochina Capital Vietnam Holdings Limitedにとって、
イギリス証券市場に上場する最初の会社となった
節目の日である。
その数週間前、Indochina Capitalは予想外に
ベトナムへの投資のための5億ドルの調達に成功した。
その24時間後、スイスのCrédit Suisseは
Indochina Capitalの証券発行保証機関としてIPOを実施した。
外国投資家は、Indochina Capitalへの投資に
調達予定資金の2倍である10億ドルを用意した。
2006年のVN-Indexの成長率146%は、
投資家にとって非常に魅力的なものである。
ベトナム証券市場がこの膨大な資金を吸収できない
と恐れるCrédit Suisseは、直ぐにIndochina Capitalに対して
ファンド調達の中止を求めた。
ファンドの中止は多くの投資家を大変残念がらせた。
10日後、Indochina Capitaはロンドン市場に上場し、
2007年3月12日にVN-Indexが最高点の1170ポイントを記録した。
その時点はベトナム証券市場における最高のタイミングであった。
上場の22ヵ月後である2009年1月中旬、
Indochina Capitalの取締役会は、株主の圧力を受け
会社の保全率の再構造について発表した。
撤退を希望する株主は自分の投資の
一部又は全てを清算する機会を与えられる。
それはIndochina Capitalがベトナム市場への投資品目の一部を
売却しなくてはならないことを意味する。

売却の投資品目

Indochina Capitalの発表によると、取締役会は、
撤退を希望する株主及び継続を希望する株主それぞれに
対する権利を適切に調整することを検討する。
ファンドの純資産(NAV)は二部に分けられる。
一部は売却できる投資品目(realisation share portfolio)、
もう一つが継続される投資品目(continuation share portfolio)である。
継続される投資品目は現在の投資戦略で引き続き管理される。
売却後、資金は投資家に返済される。
ただし、Indochina Capitalは、
これは株価及び売却の期間によるので、
時期及び資産の価値を保障できない旨を事前に警告した。
売却時点の株価はファンドの純資産の
計算時点の株価より低い可能性もある。
Indochina Capital取締役会の言動は、
VN-Indexが300ポイント以下に下がり、
市場の流動性が非常に低くなった
(HOSEとHASTCの取引総額が1500億ドンしかなく、
市場の動きの活発な時の5%~7%しかない)
現時点において合理的な動きである。
数千億ドンの株価の売却により市場の供給源が急速に増加、
その動きは 投資家の心理に影響を与える。
投資家は株価がもっと安くなることを期待し、
市場の需要はさらに弱くなる。
Indochina CapitalはClosing Fundであり、
多くの人はClosing Fundに投資すると、
Open Fundへの投資と違って簡単には投資から撤退できないと考えるが、
実際は、永遠にClosingされるファンドなどない。
各ファンドはClosing期間を決め、
投資家の能力によって6ヶ月、12ヶ月、24ヶ月、
5~10年の期間で規定する。
このClosing期間の終了後、
各投資家が投資資金を回収することができる。
上場ファンドについては、
各株主がファンドの証券を売買することができる。
Dragon Capital, VinaCapital và Indochina Capital等の
ベトナムへの外国投資ファンドは上場している。
現在の国際金融危機の状況により、これらのファンドが
外国市場でNAVより安く取引されている。
2008年12月31日のIndochina CapitalのNAVは4.66ドルであるが、
取引価格は2.48ドルである
(Indochina Capital Monthly Fund Update 2008年12月31日)。
数社の株主は投資資金の一部を回収できると考え、
ファンドの清算を求めた。
ファンドの清算による回収資金の方が市場で回収できた資金より大きい。
この数ヶ月間でベトナムへの投資ファンドは、
証券の価格を確保するために証券の再購入圧力を得ている。
数社のファンドは多少再購入したが、
資金力がないため購入を続ける事は難しい状況である。

各変更点及び営業成績

2008年、Indochina Capitalでは人材及び
投資戦略に関する基本的な変更があった。
何人かの重役が辞職し、新たな顔ぶれに交代した。
メコン証券株式会社はIndochina Capitalによって
49%出資された会社である。
この会社を東ヨーロッパにあるパートナーに譲る交渉が開始され、
関係手続きが各管理機関に承認された。
この会社で開設された投資家の口座は他社に移された。
この6ヶ月、特に2008年第4四半期に
Indochina Capitalは積極的に投資品目を整理し、
上昇の可能性のない株式を売却し、
債券を譲り、出来る限りの資金を作った。
債券の投資総額は8,420万ドル
(ICVH Interim Report 30-6-2008、会計検査機関がKPMG)
から約3,300万ドルに下がり、NAVの15.4%を占める
(Indochina Capital Monthly Fund Update 31-12-2008)。
去年の6月末までにIndochina Capitalは
20,360万ドルの赤字になった(NAVの下落も上記相当)。
このファンドの純資産は2008年12月31日までで、
21,280万ドルしか残らない。
当初5億ドルからスタートしたIndochina Capitalの純資産が
21,280万ドルしか残らない。膨大な資金が消えた。
Indochina Capitalはベトナムで活動している
他の外国投資ファンドと同様、
頑張ってこの困難な時期を乗り越え、2008年末まで生き残った。
去年、このファンドのNAVは53.8%下落し、
VN-Indexの下落幅66%より低い。
VND/USDの為替レートの変更を計算に含めると、
Indochina CapitalのNAVの下落はVN-Indexの下落より21.5%低い。
この結果は、2008年のベトナム証券市場及び
国際市場悪化の状況下では、悪くはないものである。
最近のIndochina Capitalの投資戦略中、
変更された2点が注目される。
[1] VND/USDの為替レートの追加3%引き下げ後、
2008年12月25日前に大量のベトナムドン資金
(約4000万ドル、NAVの18.5%相当)を外貨に両替した。
[2]このファンドのNAVが一番大きく下落した時期である
2008年12月(追加16.7%下落)、Private equityの
投資品目の価値を未上場市場の株価で再計算した。
これらの投資品目の価値が2008年年初より
61%下落しているのに比べ、上場証券の下落は47.7%である。

ベトナムに別れを告げず

2007年年初、各外国投資ファンドは、
常にベトナムへの出資の圧力を得た。
Indochina Capitalも同様の状況であり、
Bao Viet、Vietcombank、Phuoc Hoaゴム、
Mai Linh等の会社のIPOに参加した。
上場株式ではIndochina Capitalが
FPT, VNM, DHG, DPM, SSI, HPG, PVD 等の
有価株式を大量に購入した。
Indochina Capitalの投資品目の中には
DQC, VHG, ANV, HAP, TAC等もあり、
これらの銘柄は現在投資家が購入する際には
購入前に慎重に検討しなくてはいけないものであるが、
Indochina Capitalが投資した時点では誰もが
慎重に検討する事が難しいタイミングで、
特にベトナム企業についての情報の透明性が
不足しているという背景がある。
Indochina Capitalだけではなく、
他の外国投資ファンドも、ベトナム企業の輸出市場に関する
不透明な情報による損失を受けている。
投資家業界はIndochina Capitalがなぜ今換金したいのか議論している。
ある外国投資家の説明によると、
株主がある程度までしか投資結果
(赤字・黒字)に耐えられないと共に、
新発展市場の強い魅力が維持されていない。
全世界の証券市場の下落により、アメリカ、オーストラリア、
ヨーロッパの株式が非常に安くなったので、
新発展市場から投資資金を換金し、発展市場で投資したほうが
適切で安全なのではないか。
上記の投資家は、
「国際経済が回復する時には、アメリカが一番早く回復するので、
なぜアメリカへ投資しないのか。」と話す。
それに、アメリカの様な新発展の市場への投資リスクが高いので、
各投資ファンドがリスクの低い市場に優先的に投資したがっている。
新発展市場への間接投資資金は今後減るものと予想され、
Indochina Capitalの投資家数者の換金は驚くに値しない。
それらの変動にも関わらず、
Indochina Capitalはベトナムから撤退しない。
Indochina Capitalの取締役会がまだ投資品目の一部を維持し、
機会があれば、保管の資金を出資する予定である。
その考えは他の外国投資ファンドも同様に持っている。



サイゴンエコノミックスタイムズ  2009年2月9日

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