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2009年01月26日

09年の展開は?~経済予想・全体編~


記録的なインフレや、
世界金融危機の影響を大きく受けた
2008年ベトナム経済。
前回の2008年回想に続き、
今回は、2009年の展望を
経済全体と証券市場の二つに分けてお伝えする。

インフレ問題はやや一息の感

2008年の消費者物価指数は22.97と、
この10年間で最高を記録、
国民生活に大きな影響を及ぼした。

特にガソリン価格の高騰は、
流通コストに大きく圧し掛かり
経済全体を圧迫した。

その後、行政・市場の両面から政策を講じ、
かろうじてインフレを制御しつつある。

なお、2009年の消費者物価指数は、
発展途上国に対する適正値の
10%前後を見込んでいる

そんな中、
本格的始動を迎えた2009年。
注目すべきポイントを二つ挙げる

(1)低い成長率

政府は、2009年の経済成長率の目標を6.5%とした。
しかし、EIU(Europe Intelligence Unit)は4.3%、
HSBCは5.4%、
BMI(Business Monitor International)5%前後と
国際金融機関の予想は軒並み低い。

この低成長率の要因は大きく二つ。

1)2008年の影響
2008年のインフレ率があまりにも高く、
2009年の価格上昇は見込めず、
企業の事業拡大意欲は低下する一方だ。
また、2008年中に行った、
高利率での借り入れや投資を
2009年中の早い段階で克服するのは不可能だ。

2)世界経済の影響
輸出が経済の主体であるベトナムは、
世界経済、特に米国や日本経済の影響を大きく受ける。
主要輸出相手国の景気不振や需要減少は、
輸出額・量の低下に直結し、
ベトナム国内の事業拡大は難しくなる。

さらに、外国からの直接・間接投資も
減少が見込まれる。
特に、外国間接投資の減少は、
国営企業株式化をさらに遅滞させ、
外資調達の困難や企業資金の枯渇を招き、
証券市場にも悪影響が予想されている。

(2)景気刺激策(stimulus plan)の有効性

このようなマイナス要因に対して、ベトナム政府も
他国政府と同様に、景気刺激策を発表した。

ここで重要なのは、
どこに(セクター)に、いくら(金額)支援するか、
という枠組みと、
規模や種類として十分なのか、ということだ。

政府は、対策予算を60億ドルと公表したが、
現金は、利率支援(銀行利率の一部を政府が肩代わり)の
10億ドルのみで、
残りは、免税・課税延長などの手法となる。

この嵐を乗り切るために

世界経済が混沌とする中、
それに翻弄されるベトナム経済。

自身の問題を処理するだけでは、
“世界的金融不安”の嵐から抜けることはできない。

外国投資の見通しが不透明な中、
限られたリソースを有効に活用すべく、
協力と検討、それに工夫が必要だ。

まずは、景気刺激パッケージについて、
各セクターを十分支援できるのか、
金額、手法の両面で見極めと検討を行いたい。

いずれにしても、今年も大変な年になりそうだ。(泣)


調査・分析部 Thang


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