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2009年05月15日

外貨購入危機


多くの企業が外貨購入に、
平均7日~14日待たされる状況となっており、
企業によっては、社員からUSDを購入せざるを得ない状況も
発生している。


現在、USD購入に関して、全企業が困難である、と答えている。
養殖・加工・輸出入株式会社(Aprocimex)代表取締役の
Doan Trong Ly氏は、銀行の外貨供給が充分でないため、
外貨購入が大変困難になっている、と語る。

一般的に、企業が外貨購入を希望する場合、主に2つの方式で実施される。
1つは、前もって作成された計画を基に、
EURO等の他の外貨を購入、必要時にそこからUSDに両替をする。
もう1つは、企業は銀行で20%デポジットする必要があり、
USD購入のため、常に銀行口座で特定のVNDを維持する必要がある。
それに、購入待ちの期間中、金利は企業が支払わなくてはならない。

このため、現時点で企業側はUSDの売買に主導的に動けない。

Ly氏の会社は養殖用の食材を輸入するため、
毎月300~500万ドルが必要となるため、
複数の銀行から購入する必要がある。
銀行は、対応までに1~2週間かかり、
現場ではこの期間を待つことができない。

同じようにVu Thanh Son-Hanoi商業会社(Hapro)では、
毎月500万ドルが必要となるが、
現時点で銀行の供給源が制限されているため、
外貨購入が大変困難となっている。
最も大変な時期に、対応に7日間もかかったため、
輸出入活動に大きな影響を与えたこともあった。
唯一の方法として企業は、
輸出活動から外貨の供給源を調整しているが、
輸入用の外貨資金はまだ不足している。

ただ、Haproの様に規模が大きく、
他の営業分野同士で支援し合える企業は多くない。
現在のUSD不足で最も困難しているのは、小規模企業だ。
あるハノイ市の電化製品販売企業によると、
今年に入って初の、大きな契約に成功したが、
清算時に銀行の対応ができない状況となった。
要求した資金自体はそれほど高額ではなかったにも関わらず、
2~3社の銀行に依頼したが、いずれも優先対象から外れるとして、
外貨購入できなかった。
この企業は、仕方なく他の3~4社を通じて、
ようやく銀行から必要な外貨を購入した。
派生した経費は、USD価格が自由市場価格より高くなってしまったという。

ある医療機材輸入企業は、
デポジットを用意するため、職員からUSDを購入せざるを得なくなった。
計画通り輸入品が到着しない場合、契約に基づき、
企業側が罰金を支払わなくてはならなくなるためだった。
今回は辛うじてデポジット資金を用意できたが、
残りの資金をどんな方法で購入できるか、
今大変大きな問題になっている。

あるホーチミン市の電化製品輸入企業の場合、
これまで銀行を通じて簡単に清算できていたのが、
今では、自由市場からUSDを購入して銀行に納入し、
その後、相手先に清算するため、
USDを購入申請しなくてはいけないという状況になっている。
実際、購入したUSDは、規定より非常に高くなるが、仕方がない。

ある輸出入会社役員は、これは最近のことではなく、
テト明けから始まっていた、と話す。
購入値と売却値はあまり違わないが、
銀行が企業の需要に対応出来ない状況が続いている。

銀行の混乱

外貨の購入が断られた唯一の理由は、銀行の供給源不足である。
各銀行は外貨供給が困難な状況になっている。
多くの企業や一般客は銀行に外貨を売却せず、
VNDを借入するためにUSDを担保にした。
VNDの借入は、金利支援制度を受けられるためである。

年初4ヶ月で経済全体の資金貸出成長率は11.6%。
その中で、外貨の貸出成長率は2.5%減となったため、
外貨の購入需要は急速に増加した。



Vietnamnet 2009年5月15日

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