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2009年10月31日

VND切り下げ可能性低まる


現在、200億USDの外貨準備資金ができたことで、
為替レートへの干渉・調整は、ベトナム政府にとって
大きな問題ではなくなった。


年末にかけて、VNDがUSDより大きく切り下げられる可能性があった。
これは、国際市場でUSDが弱体化している状況とは、間逆の現象だ。

Vo Tri Thanh-ベトナム経済中央研究学院副院長は、
為替レートの変動枠は上限を押さえ、コントロールするためのものである。
銀行システム内の為替レートが市場の安定を図れれば、
VNDが切り下げられる可能性は非常に低い、としている。

Q:VNDとUSDの為替レートの圧力が強まってきているが、
 年末までに、どのような変動をすると考えられるか。


A: 現在、様々な原因からVND切り下げの圧力を受けている。
同時に外貨市場に対しても激しい圧力をかけている。
実際、今年のベトナムのインフレはかなり抑制され、
7%を維持したものの、他のアジア諸国に比べれば依然高い。

2010年は、インフレが8~9%に上昇する可能性がある。
その他、輸入超過や経常バランスシートも、
国際清算バランスシートに対して、大きな影響を与えることになる。

金融危機も支出超過に影響を与えており、
年間15~20億USDになる可能性も出てきている。
さらに、ベトナムへ導入される資金(送金、FDI等)も急減傾向となっている。
そして、この支出超過がまた市場への圧力を高めることになる。

Q:マクロ的な原因の他にも、心理的要因はあるか。

A: ベトナムの外貨市場は分断されていて、統一性が不足している。
輸出と輸入、官と民の隔たりもまだ多く、
それがVNDの切り下げ・上昇の圧力を全体に反映しないものとなっている。

実際、VNDはUSDに対してどんどん安くなっている。
それは、国際市場でUSDが弱体化しているのとは、間逆の状況である。
そして、多くの国がUSD確保のため、国際市場に干渉している。
USDが高くなると、輸出や貿易の清算バランスシートに、
大きな影響を与えることとなる。

Q:現在、ベトナム政府が採用中の、為替レートの管理政策についての評価は。

A: 近年、ベトナムの為替レートの調整は段々柔軟になり、
充実してきているが、問題もまだある。
重要なのは、市場で外貨が不足し、為替レートが急速に増減することは
困難な問題ではないということだ。

ここで言いたいのは、市場に対する信用である。
政府の公約や情報の透明性はまだまだ不足している。
これは全ての営業活動に対して信頼性を低くさせることになる。

現在、為替レートの調整による影響については、
まだ深く研究されていない。
それは為替レート政策や金融政策の、
柔軟性と有効性を制限することになっている。
良き為替レート政策が行われれば、経済の競争力を高め、
金融政策も有効に活用できる余地が充分になるだろう。

Q:ベトナムは、USDに替わる新たな外貨を利用するべきだ、
とのアドバイスもあったが、どう考えるか。


A: 実際、USDの交代は難しい。
外貨が交替することがあっても、それはUSDが非常に弱くなり、
アメリカ経済の弱体化が顕著に進行してからのことである。
アメリカ経済は今も世界最大であり、決定的な影響力を持つことに変りはない。

以前、国際清算通貨を多様化する向きがあった。
多くの国が様々な方法で外貨準備資金を行い、
外貨両替協定を締結し、貿易の中で多数の外貨を利用しているが、
USDの利用率は最大だ。

外国との取引について、
各企業は、まだ外貨借金のリスクや為替レートの変動リスクに
直面しなくてはならない。

Q:今後、為替レートはどのように変動するか。

A: 今は約200億USDの外貨準備資金により、
必要時に為替レートに干渉、調整することは大きな問題ではない。

また、自由市場では多くの外貨資金が売買されており、
ベトナム銀行でも外貨預金は大きく、外貨供給自体は大きな問題ではない。
しかし、ベトナム政府は為替レート政策を金利調整等と共に、
為替レートを調整し、需給バランスを取り、
市場に対する信用を高める必要がある。



Vietnam+  2009年10月30日

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