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2010年03月22日

更なる経済発展か停滞か 迫られる政策刷新


現在ベトナムは、新興国として大きな発展段階に突入している。
しかし、今後ベトナムが裕福で盛栄した社会を実現できるか、
永遠に発展途上国を脱却できないかは、未だに不透明な状況である。


これは、日本政策研究所とベトナム国家経済大学が共催し、
ハノイ市で開催されたセミナー、
「中等所得国を超えて:ベトナムのチャンスと挑戦」
に参加した外国人研究者の考えである。
16年に渡ってベトナム研究を行っているKenichi Ohno教授は、
ベトナム経済が1991年~2009年までに平均7.4%の
成長を遂げてきたことに対し、以下のように分析している。

1990年、ベトナムの1人当たりのGDPは98USDで、
世界で最も深刻な貧困国であった。
しかし2009年には、それが1,109USDとなり、
ベトナムは中等所得国となった。
この15年に渡る著しい経済成長は、
市場自由化政策と、輸出品に対する海外需要の増加によるものだ。
それらが、人々の日常生活に影響を及ぼすと共に、
ベトナム全体を大きく変動させてきた。

しかし一定の発展を遂げてきた現在、
ベトナムがより高い発展を遂げるにあたって、
国の潜在力を充分に活かせなければ、より良い結果は望めない。

Le Quoc Hoi-国家経済大学博士は、
現在こうした背景から、新規の動きが出てこない、と指摘している。
Hoi氏は「経済改善が始まった90年代の積極的な雰囲気と異なり、
現在のベトナムには、満足と楽観的な雰囲気に包まれている。
こうした意識は、外国投資調達の良好な業績と、
国際社会と各援助国の賞賛により培われているものと思われる。」と述べた。

この意識は、ベトナム社会と経済が内包している問題を隠してしまっている。
たとえば、農作用地が段々狭くなり、
都市化用地が官僚と緊密な関係を持つ大規模投資家に掌握されていること。
その他、国営企業が業績赤字にも関わらず、政府に保護され、
効果的な活動を行っていないこと、などだ。

Hoi氏は「現在のような状況が続けば、
特別な利益を得る特権グループが出てくることにも繋がる。
そうなれば政策の決定も困難になり、
改善への動きも鈍化することになるだろう。」と評した。

Ohno氏は、ベトナムの政策決定が、
政府内閣内で行われることに、大きな懸念を示している。
Ohno氏は「他のアジア地域の政策とベトナムの政策とを比較すると、
ベトナムが、他のアジア諸国と同様の改善を果たすには、
まだまだ道のりは遠い。
この国の政策は、市場や企業の発展速度に対し、
常に遅れを取っている。」と述べた。

ベトナムが今後長期的に発展していくためには、
政策決定の改善が不可欠である。
そのため、政策決定の場に知識者の貢献を求める必要がある。
典型的な例としては、2020年までの工業化・現代化計画が完成するためには、
具体的な行動計画がまだ不足していることなどが挙げられる。

そのため、ベトナムの公的システムを基本的に改善する必要がある。
公的機関は人材過多、低所得、それに伴って公務員が副職に手を出すこと、
形式主義、旧式の考え方、汚職等の問題を直ちに解決しなければならない。
ベトナムの公的機関による専制制度の廃止・改善への動きは、
シンガポール、マレーシア、タイ等他のアジア新興国に比べ、
大きく遅れを取っている。

Ohno氏は「私は16年に渡ってベトナムの状況を見てきたが、
大きな政策改善はなかった。
今が、政策改善を行うための重要な転機である。」と語った。



Vneconomy.net 2010年3月22日

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