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2010年10月27日

外国銀行のシェア拡大競争


WTO加盟の制約を実施するため、
2011年1月1日からベトナムでは、
外国銀行にベトナム銀行と同様の小売サービス商品を
提供することが許可される。
そのため、2011年より外国銀行は、
ベトナム銀行と平等の競争ができる環境が備えられることとなる。


ベトナム駐在の外国銀行の代表者は、
こうした競争環境の整備を歓迎しており、
競って小売サービス拡大に力を入れている。
ベトナム銀行はマーケットシェアの減少に対する危機が、
徐々に大きくなっている状況だ。

至る10月中旬、
Citibankはハノイ市で、小売サービスの展開を始めた。
それ以前、Standard Chartered Bankも同様の動きを見せいている。
2010年9月、HSBCは、ベトナムで5つ目の支店を開設した。
多くの外国銀行が、続々とベトナムに支店や取引代理店を開設するのは、
ベトナムの投資調達環境に対する楽観的な見方の表れと思われる。

Citibankベトナム代表取締役頭取-Brett Krause氏によると、
国家銀行が銀行間の競争を促すことは、
消費者にとって良い兆しである。
同様にStandard Chartered Bank ベトナム代表-Ashok Sud氏も、
国内銀行と外国銀行への、平等な競争環境の整備に対しては、
満足の意を表した。Ashok Sud氏は
「我々が望む舞台はほぼ整った。
 顧客に提供するサービス、商品も全て認可されることとなる。」と述べた。

2011年1月1日以降、
外国銀行が競ってマーケットシェアを拡大してくるのは明白である。
Ashok Sud氏によると、今後Standard Chartered Bankは、
ベトナムでの活動の幅の拡大と、サービスの充実を図るという。
同行の予測によると、
2015年から2016年までの2年で、
ベトナムの一人当たりの収入は、
年2,000USDに達するものと見られており、
銀行利用者数の更なる増加が見込まれている。
Ashok Sud氏は、
「今後の5~10年で、ベトナム人口の10%が
 銀行サービスを利用していたのが、過去の出来事となるだろう。
 現在、ベトナムでは1台だけではなく
 2~3台の携帯電話を使用する人が多くなっている。
 そのため、近い将来、銀行サービスの利用者数も
 増加するだろう。」と述べた。

現在、国内銀行は、ベトナムの小売市場で90%のシェアを占めている。
しかし外国銀行は、ハイテク技術の導入、サービスの充実を図り、
このシェアを減らしにかかるだろう。
例えば、Standard Chartered Bank は
勤務時間外用の事務所を設置し、
週末にもサービスを提供できるようにしている。
また2011年1月からは、
SmartlinkのATM連盟システムにも接続する予定で、
成功すれば、システムを導入する最初の外国銀行となる。
Citibankもインテリジェント銀行サービスを提供し、
デジタル志向の強い高い若者を対象とするサービスに
重点を置く構えだ。
今後、インターネットや携帯電話からサービスを提供するシステムも
開発する予定であるという。
また、マーケットシェアはまだ小さいが、
外国銀行はベトナム市場の「最も美味しい部分」を把握している。
高額所得者(月1,000万VND以上)、
VIPを対象とするサービスを提供することである。

ことのように外国銀行は競ってシェア拡大を図っているが、
それについて、国内銀行は余り関心を示していない。
ある財政専門家は
「現在、国内銀行が提供している国際清算、
 貿易支援、投資等のサービスは、
 今後、技術、経営能力、財政能力の高い
 外国銀行に掌握される可能性が高い。」と述べている。

現在、ベトナムの大規模銀行は、
国営企業を優先させている。
そのため、民間企業や外国直接投資関係企業への支援はおざなりだ。
外国銀行のサービス利用者は、主に100%外国企業が殆どである。



InfoTV.net  2010年10月27日

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