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2010年12月01日

ベトナム労働者はどこに消えた?


最近、外国直接投資企業の多くが、
ベトナムが段々裕福になり、
安価な労働人材という強みを失いつつある、と感じている。


先日開催された、韓国商工会主催の
「ベトナム労働環境・労働政策シンポジウム」で、
Pak Suk Hwan在ベトナム韓国大使は、
現在ベトナムで活動する約2,600社の韓国企業にとって、
最も注視している問題の1つは、
ベトナムの労働人材の問題である、と述べた。
また、労働環境と政策を理解しなければ、
労働人材を採用・確保することができない、と分析を行っている。

食品分野の韓国企業代表者は、
10名の販売員を募集したが、
採用に手間取った、という例を挙げた。

実際、銀行やバス停には、
ハノイ市Dong Anh郡のThang Long工業団地にある
外国企業の求人募集広告が沢山貼ってあるが、
余り関心を集めていないようである。

Thang Long工業団地で働くLe Van Thanh氏は、
外国企業が数ヶ月前から求人募集広告を貼り出しているにも関わらず、
採用には至っていない状況である、と話す。
理由は様々だが、給与はもちろん、
仕事内容にも選り好みが生じているようだ。

現在、CanonやPanasonic工場で働く一般労働者には、
研修期間中で、基本給与と手当てで
月250万VND以上が支払われている。
高い技能労働者には残業手当てを除き、
月400万VND以上の給与がある。
その他、寮を完備している企業も多い。

上記の給与は、マレーシアや中東諸国の平均値
(月500万~700万VND)に比べれば断然安く、外国投資関係企業から
そうした待遇を受けている労働者は多くない。

Canon Vietnamの代表者も労働者不足にあえいでいる。
特に、年末に向かって受注が集中する一方で、
人材不足のために、全て受注しきれない状況になるという。

そのため、Canon Vietnamの様な外国企業は、
人事担当者を地方に派遣し、
積極的に求人募集活動を行っている。
また、友人、親戚を紹介した社員には、
20万VNDの謝礼金を出す制度も採用している。

同様に、Sai Dong工業団地(ハノイ市Long Biet地区)の
Goshi Thang Long会社も機材専攻の
労働者(給与180万~300万VND)を募集したが、
採用できなかったため、最終的には雇用条件を下げ、
他の手当て制度(昼食手当て月20万VND、
技能手当て10万~30万VND、
勤務経験手当て:月4万VND等)を採用したが、
雇用状況はあまり改善されていない模様である。

その他、多くの企業は労働者集めのために、
ボーナス、無料研修等の制度を採用しているが、
人材不足は深刻なようだ。

FDI企業が頭を抱えている
最近の労働者の賃金上昇と、労働者不足の二課題について、
社会労働傷病兵省労働局次長は
「多くの外国企業に、ベトナムの労働人材は、
どこに消えてしまったのか?と言われる。
教育された労働人材や、企業の需要に対応できる人材も少ない。
そのため、多くの企業が一般労働者の雇用に乗り出している。
直接に雇用し養成する、と言った企業が多かった。」と述べた。



Vneconomy.net 2010年12月1日

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