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2011年07月01日

ベトナムマクロ経済、この半年


金融政策Chính sách tiền tệ

最近の3ヶ月でCPI上昇率は連続して減少しており、4月の3.3%から
5月には2.2%、6月で1.1%となっている。この傾向から多くの人は
インフレが下がったと考えているが、物価とCPIの前年比を見ると、
インフレの状況はさほど良好ではない。現状で今年のCPIは21%近くに
達しており、7月と8月に引き続いて緩やかに上昇する可能性があり、
CPIの下降は9月から始まるものと予測される。最良の展開となれば
12月末の時点でCPIが15%を下回ることはない。今年のCPIは平均で
17%より低くなっていないので、インフレの抑制対策は今後の数ヵ月間
継続しなければならない。

また、厳格な金融政策がインフレ抑制の重要なポイントだが、この対策を
通じて国家銀行は各商業銀行の資金貸付活動を調整することが可能となり、
資金貸付活動の効果を高めることができる。金融機関の状態によって、
資金貸付活動のリスクも違ってくるため、国家銀行が銀行システム全体の
貸付資金を20%以下に抑え、貸付におけるリスクとサービスの質によって
グループ分けを行えば、グループごとに適切な管理方法を適用できる。

国家銀行はインフレの上昇で行政的な対策も適用したが、銀行の金利を
期待された値に下げることはできないだろう。理由を簡単に説明すると、
このようなインフレ上昇の状況では顧客が預金金利の年間14%を認めない
からだ。国家銀行は「柔軟な金融政策」を実践しているが、年初6ヶ月で
資金供給が制限されるため、資金供給源の増加がわずか2.3%にとどまり、
資金貸付成長率は7.1%しか増加せず前年同期より低くなる。流行資金と
資金貸付が制限されているベトナムでは金利が上昇する。

金融政策の中ではレート調整が最も注目されている。2月頃に国家銀行が
レートを大幅に調整したが、銀行システムとブラックマーケットのレートは
ほとんど変わらず、安定して維持されている。この成果を得られた理由は
厳格な金融政策の実施やUSDとVNDの金利差の幅が拡大されたことである。
ただ、前述のインフレによって国家の超過支出はGDPの6%上下と絶大で、
66.5億USDの超過輸入額による影響が大きいが、FDI投資資金の導入や
越僑送金が大幅に減っており、中長期的にVND下降の圧力がまだ大きい。

財政政策

政府は規定No.11で各地方に緊急性と効果の低い投資計画を削減することを
要請した。しかし、何故ここでの要求が金融性と効果の低い案件を地方の
投資計画の中に入れられたのか? それは公的投資の審査と決定の仕組みが
持つ問題にあった。

インフレを抑制するには財政政策と金融政策とを上手く組み合わせることが
必要だが、ベトナムのインフレ抑制は金融政策の任務として認識されている。
このような状況の主な原因は財政政策と金融政策の違いにある。まず一つ目は
財政政策の透明度が低いことだ。我々には国家銀行による金利調整の手順は
確認することができるが、政府の収支や投資活動は見えてこない。二つ目は
財政政策の遅延が目立ち、短期間で効果が見えないことだが、インフレ抑制は
早急に手当てしなければならない。そして三つ目は財政政策が経済機関の利益と
直結しているため、予算の削減や公的消費削減を実施する可能性が低いことだ。

これまでに公的投資の削減は決定されたが、多くの地方が削減計画を提案して
おらず、逆に削減資金枠の縮小化を要請している。また、計画投資省の報告では
2011年5月末現在で各地方は公的な投資資金中の約42兆VNDを削減しており、
国営企業は約39兆VNDを削減しているが、中央経済研究院の報告では2011年に
22社の国営企業が社会全体の投資総額の40%に相当する350兆VND投資資金を
削減することを計画している。そのため全投資資金の9%に相当する81兆VNDを
削減できても、国営企業による投資総額350兆VNDの使用を管理できなければ、
社会全体の需要を減少させるという目標は達成できないだろう。

現時点でベトナム政府はマクロ経済の安定性を優先するべきであり、その中でも
インフレ抑制を最優先させる必要がある。


サイゴンエコノミックスタイムズ  2011年6月30日

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