« ベトナム労働者 労働能力の低さを改善せよ | メイン | PetrolimexのIPO、落札株価は最初の株価とほぼ同額 »

2011年07月29日

競合的な目線で見るベトナムの海老輸出事情


2011年になってベトナム海老の位置づけがアメリカ、日本、EU市場で
変化している。特にタイ等の他の供給源との比較結果をまとめてみた。


世界における海老の輸出入図面を見てみると、アメリカ、日本とEUは
ベトナムにとって世界最大の海老輸出先であり、海老輸入市場の重点と
なっている。2010年は、これら3つの大きな市場に対するベトナム海老の
輸出額が特に問題なく増加を示した結果、21億USD以上を達成したが、
2011年に入ってからベトナム海老の動きが変化してきている。

2006年~2010年までの5年間、日本はベトナムにとって最も大きな
冷凍海老の輸入先だった。だが、年初4ヶ月でタイがベトナムを超え、
日本に1万1,700トンの海老を輸出した。ベトナムは8,752トンで
インドネシアに次いで3番目という位置づけになっている。

4ヶ月の成績はベトナムの国内海老養殖・加工状況およびベトナムの
輸出目標を全て反映されていないが、 タイが日本市場でベトナムを
追い抜く可能性は非常に高いことがデータとして表れた。

2006年まではタイがベトナム、インドネシア、インド、中国に次いで
日本にとって5番目に大きな海老輸出国だったが、2007年の時点で中国を
抜いて4番目に上がり、2008年と2009年にはベトナムとインドネシアに
次ぐ3番目となった。そして2010年にタイはベトナムの次に迫った。
一連の動きからはタイが日本を海老輸出先の重要国として開発する方針を
持っていることがよく見える。

現在、白エビがタイの海老の養殖量の90%を占めている。4月上旬の洪水で
タイは約5万トンの海老を損失している。 だが、タイからの情報によれば
白エビの養殖期間は3ヶ月周期のため、輸出活動には影響が及ばない。

ベトナムから日本に向けての輸出額は、2011年の第1四半期に減り始めた。
今年の4月、日本への輸出量と輸出額はそれぞれ17.7%と14.7%に減った。
5月に入ると輸出量が31.8%に減少したが、輸出額は3.4%にとどまった。
6月は量と額が減り始めてから3ヶ月目にあたっており、それぞれ19.1%と
12.2%に減少した。

海老の加工企業は原料調達源の不足や銀行からの高金利な借金という状況に
直面しているが、日本への輸出に対して一番大きな影響を及ぼしているのは
海老の品質である。

昨年末からベトナムの海老輸出産業はTrifluralin除草剤の残留比率が高く、
ベトナムからの輸入海老には100%の検査が実施され、手間のかかる仕事が
多くなるとともに負担経費も大きくなった。

タイの海老は日本市場だけではなく、アメリカ市場に輸出する際の環境でも
有利になっている。つい最近、アメリカ商業省は5回アンチダンピング関税
(POR5)の検討結果次第では、150社以上のタイ海老輸出企業が0.73%の
関税措置を得られるとしており、このような関税制度によってタイは引き続き
アメリカで最大の海老輸出国というポジションを確保することができる。

ベトナムの海老輸出企業に対する関税措置は、まだ発表されていない状況だが、
ベトナムが自国のアドバンテージを徹底的に活用しなければ日本市場と同様に
アメリカ市場でもタイの海老がベトナムの海老を追い抜くことになる。

ベトナム税関総局の統計では、年初6ヶ月でベトナムが10万1,872トンに及ぶ
各種の海老を輸出し、その額は9億7,100万USDに達している。アメリカは
約10年間かけて日本市場を超えるベトナム最大の輸入国へと変わっていった。
ベトナムが今年、アメリカ市場に対して行った海老の輸出量は1万9,344トン、
輸出額では2億1,650万USDに達しており、前年同期比でそれぞれ28.7%と
40.8%に増加している。


InfoTV.net  2011年7月29日

« ベトナム労働者 労働能力の低さを改善せよ | メイン | PetrolimexのIPO、落札株価は最初の株価とほぼ同額 »

    ・本資料に記載された情報の正確性・安全性を保証するものではなく、
     万が一、本資料に記載された情報に基づいて
     皆さまに何らかの不利益をもたらすようなことがあっても 、一切の責任を負いません。
    ・本資料は情報提供のみを目的として作成されたものであり、
     投資その他何らかの行動を勧誘するものではありません。
    ・本資料の全部または一部を無断で複写・複製することを禁じます。

運営会社編集方針お問い合わせプライバシーポリシー