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2012年10月15日

借入できない大手企業と不良債権減らない銀行


10月14日発表の、ベトナム経済評価株式会社のVietnam Reportは、
2012年は企業と商業銀行の双方が様々な課題に直面している、と伝えた。


この調査は、ベトナムの優良企業上位300社の意見に基づき統計されたもの。
中には、国内大手500社(VNR500)、
高額納税企業1,000社(V1000)、
急速成長企業500社(FAST500)、
8月までに掲載された4,400件の新聞記事を含んでいる。

この調査研究は年末に発表予定となっている
国内高額納税企業1,000社(V1000)の統計事業の一環として実施された。

これによると、大規模企業が
資金を確保する機会が、徐々に減っているという。
大手企業のうち44%が2011年に比べ資金の確保が難しいと回答、
39%が以前より大規模の借り入れができている、と回答したものの、
借入額は資金全体の50%以下だと回答した。

また半数以上企業が、
銀行から最も優良条件で借り入れができているのは、
国営企業である、と回答している。
中小企業も銀行の優遇制度で借入れができる、
と回答したのは20%に留まった。
こうした情報から、
経済セクターを区別せず、「平等に営業環境を整備する」
という政府の方針が、
徹底されていないことが見て取れる。

また同報告では、2012年は銀行にとっても困難な年である、と評価している。
今年第2四半期末までで、
多くの銀行が、年次計画の20~30%の利益しか達成できていないという。
なかには計画の50%に達した銀行もあるが、
全体的な経済状況と、資金貸付状況が良くないため、
7月中に年次計画の見直しを図る銀行が多かった。
当然、上半期の利益が前年同期より低い銀行が多かった。

ベトナム銀行も、年初の不良社債急増の問題に直面している。
6月末までの不良社債は約256兆VNDに達し、
国内銀行全体の貸付総額の10%を占めている。
昨年までの不良社債の割合は非常に低かった。
2009年は2.5%、2010年 2.15、2011年 3.3%
で推移してきた。

同報告はこのような警告をおこなっている。
「最も危険なことは、報告書の出し方によって、
 不良社債の数字がずれてくる、ということである。
 これが、問題を解決しにくくしている。
 銀行側が不良社債を隠蔽することで危険も大きくなり、
 管理は困難となり、
 ネットワーク全体の活動と資金流動性にも
 大きな影響を及ぼすことになる。」

財務省によると、今年に入って9月までの
企業の税金未納額は、約21兆VND(GDPの6.8%)、
その中で国営企業は全体の約13%を占めている。

計画投資省によると、同月までで、
国内企業のうち、4万社が活動中止又は解体となっており、
前年同期より6.5%増(2011年は53,000社)となった。



サイゴンエコノミックスタイムズ  2012年10月15日

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