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2010年01月20日

2010年ハノイ不動産 オフィスビルは空室多数 小売用面積が不足


現在、オフィスを借りたい人には様々な選択肢がある。
資金とオフィス供給源の問題は、投資家にとってまだまだ大きい。
先日、市場研究会社のSavills ベトナムが、
2009年第4四半期の5市場に対する調査結果を報告した。
対象市場は、オフィスリース市場、販売用のアパートメント、
サービスアパートメント、 ホテル、小売販売用敷地である。



ホテルの宿泊料金が大きく上昇

Savillsの統計では、
2009年第4四半期、ハノイ市場に3星、4星、5星ホテルの新規オープンはなかった。
現在、ホテル件数は40件、部屋数は計5700室。
一部屋当たりの売上は約57USD(前四半期比28%増)。
4星、5星ホテルでは、
一部屋当たりの売上は70USD(前四半期比29%増)。
しかし、総売上額は2008年同期より26%減、2007年同期より40%減になった。

2009年第4四半期の部屋稼働率は、第3四半期より11%増加した。
これは、新型インフルエンザH1N1の影響による減少と、経済回復による増加の結果である。
3星~5星ホテルの部屋が、1泊87USDから92USDに上昇し、
5星ホテルでは部屋料金が最大で7.7%上昇した。
他ランクのホテルの部屋料金は、1.2%~2.2%の上昇。

2009年第4四半期、
ベトナムに来た外国観光客は998,000人に達し、10万人増加
(前四半期の12%相当、2008年同期比64,000人(7%)増)。
2010年、ベトナムへ来る外国観光客は450万人に達すると予測された
(前年比18%~21%増)。

2010年には四案件の高級ホテルが完成し、
市場に1,180部屋(全体の20%)を供給し始める予定。
さらに、2011年に二ホテルの建設案件があり、市場に932室(15%)を供給する。
残りの19案件は、2012年に2700部屋(44%)を供給すると予測される。



Tu Liem地区に集中する高級サービスアパートメント

Savillsベトナムによると、
2009年第4四半期にハノイ市で完成予定のサービスアパートメントはない。
現在、サービスアパートメントの供給は、41ビル(222,000平米)である
(前四半期比2,400平米増)。

2009年第4四半期、サービスアパートメント市場は活発で、
部屋稼働率、及び、平均貸出料金が2009年第3四半期より増加した。
 貸出料金:前四半期比3%増
 部屋稼働率:平均90%(前四半期の88%より2%増、前年同期比1%増)

2010年の第1四半期と第2四半期にも、市場には新規完成予定案件はない。
2010年第3四半期と第4四半期に、
Tay Ho地区の230部屋と、Lu Liem地区のCrown Plazaビルが完成する予定だ。

今後、サービスアパートメントの供給源はTu Liem地区に集められる(60%)。
他の中心街の供給源が、数年後もまだ制限されているためだ。
新規参入案件は、ハノイ周辺に建てられたものであり、
将来の供給源はハノイの西と北側に開発される傾向にある。



小売用不動産の需要にブーム

現在、ハノイ市では、10ヶ所のショッピングセンター、お店、スーパーマーケット、
81ヶ所の電化製品販売センター、
2ヶ所の卸センター、
11ヶ所の小売センターがあり、
市場に372,602平米の小売用面積を供給している。

2009年第4四半期には2ヶ所の電化製品センターが完工し、
さらに15,000平米を供給する。

市場全体の平均稼働率は、
2009年第3四半期の90%~95%から、第4四半期の92%~95%に微増した。
中心部の利用料金は、1平米当たり20USD~150USDで安定している。

市場は2012年までに、小売用面積を50万平米広げる。
この供給源により、ハノイ市の小売用面積は、約120万平米(現在の3倍)となる。

2010年1月1日から、外国卸・小売会社もベトナム小売市場に参加することができる。
Savillsベトナムによると、小売用面積に対する需要は
中心部、郊外共に引き続き増加する。
しかし、郊外地域の需要の増加は、中心部より低い。



オフィスリース 供給過多による圧力

2007年の「ブーム」発生時期と比べると、
オフィスリース市場は引き続き悪化している。
2009年第4四半期に多くの建設案件が完成し、選択肢は増えた。

2009年第4四半期、ハノイ市のオフィス供給源は60万平米以上に達する
(前四半期比約23%増)。
第4四半期にオープンしたオフィスは、市場に大きな面積を供給し、
供給源の約18%を占める。
また、市場には更に9ビルが供給される。
Hoan Kiem地区、Dong Da地区、Ba Dinh地区、Tay Ho地区を中心に、
Aレベルのビルが3件、Bレベル3件、Cレベル4件。
中でも、BIDV Tower、Capital TowerのAレベルビルが
市場に45,000平米を供給する。

2009年第4四半期の部屋稼働率は、2009年第3四半期比で約2%減。
 Aレベルビルの稼働率:18%減
 Bレベルビルの稼働率:1%減
 Cレベルビルの稼働率:10%以上減

2009年第4四半期、
各レベルの賃貸料は平均29USD/m2/月(第3四半期比4.5%増)。
AレベルとBレベルの借料がこの5四半期に18%近くを減らした(2008年第4四半期比)。

オフィスの需要は2010年微増する。
外国会社が徐々にベトナムに戻り、
ベトナム企業が営業を拡大する状況にあるためだ。

4年後にはさらに150万平米のオフィスが市場に供給される予定。
2010年中には、まず17万平米が供給される。
このように今後はオフィスの供給源が増加するため、
実際の利用料金は安くなる傾向にある。


Vneconomy.net 2010年1月20日

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