ブルーチップ ベトナム投資ニュース

問：VNDとUSD調達金利の上限の規定を含む国家銀行の財政政策を
どのように評価しているか？
　
Sumit Dutta－ HSBCベトナム社長
私は2008年8月からベトナムで勤務している。その時点で為替レートは
１USD＝16,000VNDだったが、この数年間でVNDの価値は大きく下落した。
年初から今までで為替レートは１回しか調整されておらず、この6ヶ月は
安定している。これは政府の実施した財政政策の効果だ。最も重要なのは
VNDに対する信用の確保であり、ベトナム政府には実行可能だ。
調達金利の上限を適用することは、全体の金利を下げる目的で実施され、
これは正しい動きだと言えるが、政策の効果は実行次第だと思う。
これらの政策が効果的に実施されているかどうか検討するべきである。
このことは国家銀行が理解していると予測され、解決方法を考えている。
実際的に、上限より高い金利で資金を調達している銀行が多い。
私は「銀行の活動を調査し、違反した銀行を処罰する」という新総裁の
発言について深い印象を覚えた。

Louis Taylor－Standard Chartered Vietnam社長
我々はインフレ抑制と為替レート安定に向けた今の財政政策を支持する。
金利の高い状況下では問題発生の可能性もあるが、将来的には安定すると
考える。インフレの抑制が成功すれば、国家銀行は政策的な金利引き下げが
できる。現時点ではインフレが23％でまだ高いため、国家銀行は金利を
下げることができない。

私は国家銀行が政策的な金利の引き下げをすでに始めていると思う。
つい最近、国家銀行が銀行ネットワーク内で金利を1％引き下げたが、
この動きは技術的なものである。しかしながら、国家銀行が事前に通知を
しなかったため、市場には財政政策に対する国家銀行の計画が分からない。

Tared Muhmood－ ANZ Vietnam社長
インフレの抑制およびマクロ経済環境の安定性に関するベトナム政府と
国家銀行の努力を支援する。この動きはベトナム経済の中長期的な発展を
促し、政府管理機関は適切なタイミングで金利上限制度を外すと考える。

問：国家銀行が適用するインフレ抑制対策の一つは、資金貸付成長率を
20％以下に抑えることだが、銀行活動にはどんな影響があるか？

Sumit Dutta－ HSBCベトナム社長
資金貸付の成長率を制限することは正しい。この数年間ではベトナムの
資金貸付成長率は30％～50％と高過ぎだった。現在、資金貸付の総額は
GDPの118％に達したが、資金貸付の成長率はどのように制限するのか？
現在、国家銀行では一連の銀行に同様の政策を適用しているため、我々の
活動にも影響を及ぼしている。

HSBCは長期的なベトナムでの活動を予定しており、2011年と2012年の
利益は我々にとって一番重要なことではない。長期的な開発基礎の準備が
我々にとって最も重要なことである。生産業以外の分野に対する資金貸付の
問題について、借金の対象を検討するべきである。現在、不動産購入への
資金貸付は生産業分野以外のものに分類されるが、経済的に良好な状況で
家の購入希望者が多いため、住居に対する投資と不動産投資をきちんと
区分けしなければならない。

Louis Taylor－－Standard Chartered Vietnam社長
我々は資金貸付の成長率に関する制限を支持するが、この政策は経済全体に
適用するのが望ましい。