« 不透明な正確性 ベトナム統計資料 | メイン | 統計で見るHOSE IndexとHASTC Index »

2010年11月08日

国営経済グループ 試行5年経過も評価なし


国営経済グループは2005年、試行的に設立されたが、
5年経過した現在までに、一度も結果を評価されていない。


一度も評価なし

年初、ベトナム政府は具体的な項目が掲載された
行動計画を提案。
例えば、今年9月中に企業改善・開発委員会が、
計画投資省、財務省と協力して
国営経済グループの活動を評価することなどを
提案している。

また、計画投資省に、9月中に「国営経済グループ、
国営企業の活動を監査、分析し、全面的に評価する」
ように提案。
財務省は「国営経済グループ、国営企業における
資本金と財産の再評価」を、第2四半期中に
完成させるよう指導した。

しかし、今日までに各省庁の実施結果が
まだ公表されていない。
企業改善開発委員会は現在も研究中で、
年末までに完了できない、としている。
各関係機関とも、遅れは必至で、
試行期間の5年が終ってしまう。
今までにも、国営経済グループの活動に対する評価を
求められていたが、具体的な結論は一つもなかった。

今までに12の国営経済グループが設立されている(以下の表)。
国営経済グループの設立・組織・活動・管理に関する
決定No. 101/2009/NĐ-CP が2009年末に発行されるまで、
同グループは設立当時から企業法に基づいて活動してきた。

国営企業法が無効になり、全ての企業が
2005年の企業法に基づいて活動しなくてはならないために、
国営経済グループの設立に関する法律面はさらに不透明になった。

ここで最も議論されていることは、
国営経済グループが法人ではないということだ。
新しく発行された決定No.102と2007年の決定No.139は、
国際条例に基づいて以下のことを規定した。

1. 経済グループは幾つかの独立法人の企業から、
投資、出資、合併、買収、その他の提携を通じて形成され、
長期的に経済、技術、市場、営業サービスの利益を共有し、
親子会社の方式で活動する。

2. 経済グループは法人ではなく、企業法に基づいて
営業登記をする必要がない。グループの活動について、
各子会社が互いに相談し、決定する。


なぜ法人ではないか

例)ベトナム石炭・鉱山工業グループ
- 「石炭・鉱山工業グループの親会社」(略名:グループ):法人
- 「各ベトナム石炭・鉱山会社のグループ」(略名:各会社のグループ):非法人

ベトナム国営経済グループを分析する前に、
グループの組織と活動に関する国際条例を見ると、
例えば、GoogleはIT分野で大きなグループとなっているが、
現在、GoogleがXYZ会社(YouTube等)を買収する場合、
XYZはGoogleの子会社にはなるが、独立法人でもある。
所有者はGoogleということになるが、
法律面ではGoogleと関係性を持たない。
Googleが全体の会計報告書を作成する時に
初めてXYZの業績を加算することになる。

他の例でいえば、Sony Vietnamは独立法人であり、
資本金、技術又は人事の面でSonyグループと関連する(内部関連)。
Sonyグループ (Sony Corporation)は親会社として、
Sony Music、Sony Ericsson等のSonyの他の企業に投資している。
そのため、Sony Group というものが誕生しているが、
設立者がないため、法人ではない。

ベトナムでも同様の例がある。
ベトナム繊維グループは会計付属会社の10社、
子会社と連携69社がある。
繊維グループの子会社であるNam Dinh繊維会社、
Viet Thang繊維会社は100%繊維グループが所有し、
有限会社である。そのため、これらの企業は独立法人であり、
自ら活動について全面的に責任を持っている。
他にも、Len Vietnam会社が繊維グループ50%を所有している。
また、服飾学校等の機関が繊維グループに属している。

それぞれの場面で活動している企業が一体化することは、
行政的な決定ではなく、互いの合意の元となる。


間違えられることも

ここで注意すべきは、ベトナム繊維グループ(非法人)と
親会社のベトナム繊維グループ(ベトナム繊維公社のもと、
設立された法人)は別物であるということだ。
この二つの概念を間違えると、実際に様々な問題が発生する。

ベトナム繊維グループ(非法人)は他と契約を締結できず、
融資も受けられないため、具体的な行動ができない。
繊維グループの設立許可がないのは当然のことである。

ここで、親会社と経済グループの概念を
取り違えられることがある。
名前が同様の為、グループと間違えられることもあるが、
法人ではない国営経済グループは取締役がおらず、
会長や社長という役職もない。
例を挙げると、Vinashinが法人でなければ
倒産することもない。

多くはVinashinとVinshin親会社(400社の子会社がある会社)を
分別できない。Vinashinは自社ブランド数十社に出資したが、
Vinashin親会社の財産は全く変わらない。

これがベトナム経済グループの現状である。


国営経済グループ

1. ベトナム郵便通信グループ
2. ベトナム工業ゴムグループ
3. ベトナム工業商船グループ
4. ベトナム石炭・鉱山グループ
5. ベトナム国家石油グループ
6. ベトナム繊維グループ
7. ベトナム電力グループ
8. Bao Vietグループ
9. 軍隊通信グループ
10. ベトナムケミカルグループ
11. ベトナムハウス・住宅団地開発グループ
12. ベトナム建設工業グループ



サイゴンエコノミックスタイムズ  2010年11月8日

« 不透明な正確性 ベトナム統計資料 | メイン | 統計で見るHOSE IndexとHASTC Index »

    ・本資料に記載された情報の正確性・安全性を保証するものではなく、
     万が一、本資料に記載された情報に基づいて
     皆さまに何らかの不利益をもたらすようなことがあっても 、一切の責任を負いません。
    ・本資料は情報提供のみを目的として作成されたものであり、
     投資その他何らかの行動を勧誘するものではありません。
    ・本資料の全部または一部を無断で複写・複製することを禁じます。

運営会社編集方針お問い合わせプライバシーポリシー