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2011年01月07日

チャンスを失った?小規模銀行


ベトナムの銀行は期限(議定No.141で規定)まで
資本金を3兆VNDに増資できないという背景の中、
規定の資本金より順次4倍~5倍の増資を繰り返し、
最終的には8倍まで増資した、ベトナム国内で
運営されている外国の銀行があると述べた。
これにより、2011年は銀行ネットワークの中で
競争が激しくなることが予測される。


弱点が徐々に表面化してきている。

ベトナム銀行―外国銀行間の競争について、
Le Xuan Nghia国家財政監査委員会副委員長は
「ベトナムの銀行と外国の銀行の競争ではなく、
ベトナムの銀行同士や外国銀行同士の競争も
あるだろう」と述べた。

さらにNghia副委員長は、外国の銀行は
外国企業に対する資金貸付の強みがあり、
将来、クレジットカードを通じて小売活動も
拡大することができると続けた。

同じ観点でGP Bank(石油商業銀行株式会社)の
Pham Quyet Thang社長は「ベトナムの銀行に
対するマーケットシェアがなくなる危機が
大きくなっている。小さな借金も外国の銀行は
逃さない」と述べている。

また、2年前までは外国の銀行の社長、支店長、
部長、課長のポジションは主に外国人だったが、
現在はベトナム人への交代が行われており
「人材現地化」の戦略を持つ外国銀行とベトナムの
銀行が競争している。

この他にも、外国の銀行は小売銀行サービス等で
数百年の経験や安い資金調達のルートを持っており、
積極的に活動を拡大している。

議定No.141に基づいて増資が不可能となっている
ベトナムの銀行に対しては、国家銀行がネットワークの
拡大や商品の販売展開等の活動を制限するため、
この困難な状況はさらに厳しさを増している。

競争から退く「狭い道」がまだある。

ベトナムの銀行と外国の銀行の優位性を比べると
ベトナムの銀行には「現地」の優位性がなくなり、
弱点が現れてきている。ただ、政府の政策を見ると
小規模銀行への「退路となる狭い道」がまだある。

Nghia副委員長の分析では、外国銀行の増資は
2010年6月16日に国会によって認可された
金融機関法第128条の規定に対応するためであり、
この法律は顧客に対する資金貸付の制限が
今の外国銀行を抱える親会社の資本金ではなく
ベトナム支店の資本金に基づいて計算されると
指摘している。

以前、1500万USDの資本金を持つ外国銀行の支店は
顧客1名に対して5,000万USDまで資金の貸し付けが
できた。理由は今まで貸付金額の制限が親会社の
資本金に基づいて規定されていたからだ。
新たな規定だと、外国の銀行は1名に200万USDしか
貸し付けることができない。
そのため、外国の銀行が企業に対する資金貸付能力を
確保すべく増資したわけである。

外国銀行はベトナム銀行と平等な条件で活動できると
規定されたが、外国銀行が支店の自己資金の15%しか
資金を貸し付けることができず、ベトナム銀行の支店は
本部である親会社の自己資金に基づいて資金の貸し付けを
行えるため、これが国際基準を満たしていないようだ。
もう一つの問題としては、2011年1月1日より外国銀行の
支店はVNDを調達することができるが、ベトナム銀行の
資金調達活動にまだ影響を与えることができないことだ。

第1の理由
外国銀行の支店でどんなに調達することが可能でも
自己資金の15%までしか貸し付けることができない。

第2の理由
ベトナム銀行とVNDの調達を競争することが難しい。
ベトナム銀行は幅広いネットワークを持ち、柔軟な
金利制度を適用し、取引が便利である。
また、財政関係の規定が厳しくなっているので、
外国の銀行はベトナムの銀行と同じように
プロモーションがあるVND調達キャンペーンを
実施することができない。

SCB(Standard Chartered Viet Nam)の元取締役である
Ashok SudSCB氏は、外国銀行は独自の強みを持つが
今後10年~15年はマーケットシェアも、まだ主に
ベトナム銀行に把握されるとし、さらに「外国銀行は
世界販売に成功した商品を持っているが、ベトナムの
銀行は同じ商品を幅広く迅速に展開できる」と述べた。


サイゴンエコノミックスタイムズ  2011年1月7日

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