ブルーチップ ベトナム投資ニュース

外国経済機関、財政機関の間では、
ベトナム証券会社の株式を最大49％まで購入する傾向が
近年流行している。
また2012年からは、100％外国証券会社が、
ベトナムで設立可能となるため、
ベトナム証券会社の買収が活発化している。

ある国内証券会社の支配人は、
現在、証券会社の株価の魅力が増しているため、
証券会社を買収することは、
会社を新設するより有効的方法であり、
資金の節約にもなる、と語った。

ただ、現在までに実行された
国内証券会社への外国投資状況を見ると、
誰もが、その効果について疑問視することだろう。

証券業界で話題となった投資案件

2008年と2009年、国内証券会社の株式を、
一部でも、買収を希望する外国投資家は少なかった。

例えば、2009年11月23日、
Bien Viet証券株式会社（CBV）は、
Woori証券投資有限会社（WIS）が戦略投資家として
49％を投資する手続きを行った。
手続き完了後、Bien Viet証券はWoori CBVに名義変更した。
当初の資本金は1,350億VNDであった。

Thanh Cong証券株式会社 (TCSC) は、
2008年2月1日から、資本金3,600億VND（約2,300万USD）で
正式に活動を開始した。
資本金3,000万VND以上の証券会社は15社しかなく、
その中の1社となった。
TCSCは、Seamico公衆証券株式会社
（タイ最大規模の上場証券会社）との合弁会社である。
Seamicoは、TCSCの資本金の49％を出資した。

12月27日、国家証券委員会は、
Click & Phone証券株式会社（銘柄：GBS) に対し、
Golden Bridge Vietnam （GBVS）への名義変更を許可した。
これは、韓国のGolden Bridge 会社が、
資本金の49％を保有している。

Vang証券株式会社は、
マレーシアのKenanga Maylaysia Berhad投資グループに49％を出資し、
Kenanga Vietnam（KVS）証券株式会社に名義変更した。

このような外国投資家の活発な動きを受けて、
多くのベトナム証券会社が、
外国金融機関との競争に、懸念を示している。
しかし、財政面や技術的な支援の約束を受けて、
取引完了後には、多くの証券会社が、
この分野でトップになるという目標を立てている。

投資家側も、大々的な支援を行うことで、
これらベトナム証券会社が、
国際金融市場に参入することができるのでは、と期待している。

目立った業績回復見られず

4月4日までに、87の証券会社が2010年の業績発表を終えている。
残りは20社だ。
発表を終えている87社中24社が赤字となり、
赤字総額は延べ5,740億VNDに上った。
ここで注意すべきなのは、赤字になった会社が、
主に外国戦略パートナーに株式を売却した証券会社であったことである。

Ho Chi Minh証券株式会社、
Kim Eng Vietnam証券株式会社(KEVS)、
Phu Hung証券株式会社(PHS)、
FPT証券株式会社 (FPTS)と石油証券株式会社(PSI)を除き、
外国投資が関係した証券会社は、
余り印象的な業績とはならなかった。

Thanh Cong証券株式会社 (TCSC)は、
売上が312億VND、税引き後利益が-97億VNDであった。
2008年と2009年にもそれぞれ337億VNDと332億VNDの赤字であった。
3年連続赤字となったため、
現在、TCSCの株主資本は2843.3億VNDしか残っていない。

KIS証券株式会社は、2007年に10億VNDの黒字を達成した後、
翌年から現在まで赤字が続いている。
2008年は赤字額355億VND、2009年は78億VND、
2010年は576億VNDであった。
現在の株主資本は1,629億VNDに落ち込んでいる。

VinaSecuritiesが投資したVina証券株式会社は、
2008年以降2010年までの3年間の累積赤字が1,264億VNDとなり、
現在の株主資本は600億VNDしか残っていない。

証券会社の業績報告の期限は4月末までとなっている。
今後、外国投資関係企業で赤字となる会社は、更に増加する見込みだ。