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2012年12月20日

アメリカ銀行を凌ぐベトナム銀行の規模


FDICの計算によると、ベトナム商業銀行一社の平均総資産は
アメリカの商業銀行より2.5倍も大きいという。


ベトナムには銀行が多過ぎるのだろうか?
それとも規模の小さい銀行しかないのだろうか?
その答えは単純にアメリカの銀行と比較すれば明らかになる。
結果は驚くべきものである。アメリカの商業銀行は一社で平均5万500人の顧客に
サービスを提供しているが、ベトナムでは何と225万人である。

ベトナム銀行の規模は決して小さくない。FDIC(連邦預金保険会社)によれば
ベトナム商業銀行一社の平均資産はアメリカの商業銀行の2.5倍に相当する。
世界銀行の統計では2010年に人口10万人当たりの商業銀行の支店と代理店数は
3.3だがアメリカでは35.7となっている。

この結果を見ると、ベトナムでは商業銀行の数と規模が思いのほか多くなく、
そして小さくもない。少なくとも経済と人口規模の比較において、ベトナム銀行は
アメリカに負けていない。

だが、ベトナムがアメリカと張り合えない要素もある。一人当たりの所得では
アメリカがベトナムの34倍だ。製品とサービスの質についても両国のギャップは
非常に大きい。しかし、財政・銀行サービスに対するベトナム人とベトナム企業の
需要に関して、ベトナム銀行の規模はより縮小されるべきだ」といわれている。

これらの銀行数と規模は相対的な比較である。しかし、さらに深く研究すると
両国における銀行管理政策の格差が結果に反映されてくる。

ベトナムでは民間商業銀行が減少傾向にある。1997年の東アジア金融危機発生時、
ベトナムには56の商業銀行があったが、2005年には38に減り、2012年で39に増えた。
ここでの注意点は農村商業銀行が消えたことだ。

農村商業銀行は特定範囲のみで活動する銀行であり、資本金が小さく株主も少ない。
2012年9月の国会経済委員会におけるマクロ経済報告書では、2007年の1月に
Hai Hung銀行が農村銀行から商業銀行株式会社に昇格した最初の銀行となっていて、
その後、Ocean Bankに名義を変更した。同行は増資を続け、2007年6月の資本金は
1兆VNDで2006年の5.6倍に成長した。資本金は2011年に5兆VNDとなった。

農村銀行から都市銀行への昇格は国家銀行に認可された。 2005年に12の農村銀行が
都市銀行となり、2007年で全ての農村銀行が昇格した。これらの資本金は国家銀行規定
No.141/2006(2008年現在で資本金が1兆VNDに達していることが条件)と国家銀行規定
No.13/2010(資本金が3兆VNDに達していることが条件)を満たすために拡大された。
2005年の時点では農村商業銀行12社の資本金は1640億VNDだった。

原則として資本金の拡大で、各銀行が技術、施設、技術インフラ、ネットワークの拡大、
活動規模への投資環境が構築される。結果として期待されるのは売上と利益の増加だ。
しかし、活動規模の拡大が必ず業績に効果を与えるわけではない。
規模の小さい方が安定する場合もある。

アメリカでは規模に関わらず全ての銀行が平等に政府の支援を受けられる。
アメリカの金融市場は巨大なため、地方銀行は資金不足の心配がない。
また、政府の銀行管理政策は小規模な公衆団体に対するサービスの提供を奨励し、
競争させることで営業効果を高めている。大手の銀行は大口の顧客にしか興味を示さない。
このため、アメリカの銀行は人口の80%にサービスの提供が可能だが、ベトナムの銀行が
提供できるサービスは20%にとどまる。FDICによると、2007年~2011年でアメリカの
商業銀行78.2%が特定の地方では活動していない。

ベトナムの場合、資本金が大きいほど銀行は強くなるという考えがある。
銀行が本当に強くなるためには、自分たちの財政市場を開発することが必要であり、
資本金だけ拡大しても意味がない。

InfoTV.net  2012年12月20日

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