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2011年09月19日

ユニ・チャーム Diana買収


ベトナム市場に参入するため、Dianaの95%を買収したユニ・チャーム。
出資のより大きい利益を狙っているのだろうか。


8月25日、日本のユニ・チャームグループは、
タイの現地法人を通じて、ベトナムのDiana社の株式、
3420万単位(Dianaの95%相当)を買収すると発表した。


Dianaの魅力

Dianaは1997年に設立された
ベトナム・イタリア技術投資開発会社で、
後にDiana Vietnamに名義変更した。
本部はハノイ市Vinh Tuy工業団地にある。
主な製品は、紙と紙粉から作られた女性用ナプキンと子供用オムツ。
ベトナム市場でよく知られている製品はDianaナプキン(女性用)、
Bobby(子供用オムツ)、Caryn(一般のナプキン)である。

2010年までにDianaの資本金は3600億VNDとなり、
総資産は1.425兆VND、売上は1.020兆VNDに達した。
現在、Dianaは、市場に出回るナプキンの30%、
トイレットペーパーの40%をシェアしており、
ベトナム全国の64省に販売ネットワークを持ち、
3万店舗を有する。

Diana Vietnamの価値は、約1億2800万USD(2.560兆VND)。
ユニ・チャーム(タイ)は、第1ステップで
Diana Vietnamの95%を所有しており、
残りの5%はDianaのオーナーが引き続き保有する、
両者の合意により最終的にユニ・チャームに譲渡される予定。

Diana Vietnamは親族経営で、Do Minh Phuが代表取締役、
Phu氏の弟が専務社長として会社を運営している。
Phu氏はDOJI金銀宝石会社の会長兼社長でもある。

2008年3月にはゴールドマン・サックスの投資を得、
Dianaにとって大きな転機となった。
この後、Dianaは戦略的開発計画を実行し、
国際基準の運営システムを導入することができた。
Dianaはナプキン製品を中心に力を入れた。

ベトナム進出の大手外国企業で長年間勤務経験するDo Hoa氏によると、
外国日用品企業が現地の企業に投資し、
現地のネットワーク、ブランド、マーケットシェアを利用することは
進出の最短の道で、以前にも、ベトナム市場では
ペプシコとユニリーバの進出例がある。

Hoa氏は「ユニ・チャームは、
長年築き上げてきたDianaのブランドやネットワーク、
工場買収のために、多額の資金を出資したと言える」と述べた。


買い側と売り側の価格合意

ユニ・チャームがベトナム市場への進出を強く希望し、
Diana Vietnamがユニ・チャームに株式を売らない場合は、
今後ユニ・チャームはDianaにとっての大敵になるが、
ユニ・チャームの問題は、単に「時間」の問題と言える。
財政力が強く、技術の先進力・ブランド力も高い、
優秀人材も多い等の要素で、ユニ・チャームは
独自の目標を達成するはずだが、
問題は、それが遅いか早いかだけである。

ユニ・チャーム側はアジアのナプキン市場で
25%を占めているが、ベトナム市場には
なかなか足を入れられていない。
ユニ・チャームは以前からベトナム市場に注目しており、
2007年にベトナム、ラオス、カンボジア、中国の南の市場に
参入するためにホーチミン市に子会社を設立している。
ただ、子会社の活動効果が期待通りにいかなかったため、
他の方法でこれらの市場を接する計画を練った。
これが「時間の買収」で、短い期間で効果的に市場に参入できる。

高原豪久-ユニ・チャーム代表取締役は
「Dianaはブランド面で驚くほど強い企業で、
生産営業状況も良く、人材も優秀である。
Dianaの買収案件が成功することはユニ・チャームにとっても
大変すばらしいことである」と述べた。


買収後のユニ・チャームは?

ユニ・チャームの市場調査結果によると、
Dianaには知名度の高い製品があり、
ベトナム全国で幅広い販売ネットワークを持っている。
それには、伝統的販売ネットワークも含まれている。

ユニ・チャームはDianaのブランドを通じて段階的に営業活動を拡大し、
ユニ・チャーム製品をベトナムに入れ込むことを計画している。
ユニ・チャームとDianaの強みを生かして、
営業開発することがユニ・チャームの長期的戦略である。

ベトナム市場の状況、ベトナム消費者の習慣をDianaの経験に学び、
PRや商品の販売開発方法を学ぶ。
Dianaは世界で有名なPR会社であるPublicisに
Diana製品のPRを依頼した。
Dianaのスローガンは【消費上手の人に合う製品メーカー】である。
その他、DianaはBatesPR会社に
Bobby(子供用ナプキン)の製品のPRを依頼している。

ユニ・チャームは、Dianaのブランドをそのまま維持すると発表した。
他にも、現在、ユニ・チャームはソフィ(女性用ナプキン)と
マミーポコ(子供用オムツ)の製品を販売しているが、
Dianaの製品と直接競争にならないように、
ソフィの製品の販売を止めることを決定した。

両者は二社の社員全員を解雇しないことにも合意した。
また、各製品のPR企業もそのまま維持する。
ただ、ユニ・チャーム側はBobby、Caryn、マミーポコの
ナプキン製品を全体的に管理する責任者の一人を
日本から派遣する予定である。

ユニ・チャーム側は、Dianaの代理店、販売ネットワークを
そのまま維持する。これもDianaの強みであり、
ユニ・チャームが一番目指しているところである。
現Do Anh Tu-Diana社長は、ユニ・チャーム側が
Dianaの全体を引き継ぐまでは、引き続きDianaを運営する。
ユニ・チャームは、10月中にTu氏と同格となる社員を日本から派遣し、
Tu氏とともにDianaを運営させる。



投資紙  2011年9月19日

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