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2012年05月24日

電化製品の輸出促進とFDIの関係


ベトナムの電化製品輸出額に増加が見込まれている。
外国投資で電化製品の生産に絡む案件がベトナムで活発になり、
活動規模が拡大しているからだ。


HEZA (Hai Phong経済団地管理委員会)によると、
日本のある大手電化製品メーカーがHEZAにHai Phong市の
大規模な印刷機生産工場に対する投資を申請している。

HEZAはメーカーの名称を明らかにしていないが、
投資規模は1億USD以上で、主な対象製品は輸出用のプリンター。
現在、このメーカーは投資申請に必要な書類を作成中で、
HEZAは今年の6月か7月中に投資許可の発給を予定している。

最近は他の地方でも外国の電化製品会社が調査を行っており、
数億USDの投資規模が計画されているという。

その中で最も大きなものが台湾のWintekに依る投資だ。
同社はiPad とiPhone 用のTouch Screenを生産している会社で、
最近になって、Bac Giang省Quang Minh工業団地における
工場整備計画の規模を8,7億USDに増資した。
Wintekはこの増資によってベトナムで活動を開始してから
わずか1年で投資規模を11.2億USDまで拡大させた。
今回の増資目的は設備をさらに充実させ、工場を拡大することだ。

一方、Nokiaは4月下旬にBac Ninh省VSIP工業団地で
携帯電話工場を整備する計画を立てた。
投資規模は2億EURO、2013年の稼働を目指しており、
1万人の労働者を採用する予定。

Nokiaはこれによってヨーロッパの拠点と工場数ヶ所の規模を縮小、
労働者の解雇は4,000人に上った。
これが同社の戦略に見られる新たな動きであり、
ベトナムを拠点とした投資活動が行われると考えられる。
同社のベトナム工場では年間18万個の製品が生産されており、
その大部分は輸出製品である。

6月に起工が予定されている他の案件では日本の京セラがある。
同社の工場はHung Yen省Thang Long2工業団地のあり、
高機能携帯電話と電子部品を生産している。
第1段階の投資規模は5,500万USDで、2013年8月に開始予定。
まだスタートは先だが、既に京セラは次の計画を立てている。
第2段階では1.95億USDを追加投資し、SMD Package製品、
携帯電話、ソフトウェア等の製品を拡大させる。

業界によると、中国やアジアの各国で整備された電気製品工場は
ベトナムへの移転傾向があり、SamSung、Intel、Panasonic、Canon、
Fujitsu、Foxconn等の進出がそれを裏付けている。

この現象はベトナムの電気産業開発に大きく貢献し、
大勢の労働者が雇用されるとともに、投資の調達や経済成長の
拡大を促進させている。
世界的に知名度の高い電気メーカーがベトナムに進出すれば、
他のメーカーも後に続くだろう。
これがベトナムの輸出額を拡大させる仕組みとなる。

税関総局の統計によると、前まで携帯電話や電気部品の輸出額は
通常月で3億~4億USDだったが、昨年の7月以降は輸出額が急増し、
一ヶ月当たり13億USDに達した。
2011年9月以降は電気部品の輸出額が第2位となっている。

昨年、Bac Ninh省のSamsung工場は輸出額が60億USDに達し、
今年は月平均で10億USDで推移している。
また、アメリカのIntel工場は活動を開始したばかりだが、
2011年にホーチミン市のハイテクパーク全体の50%に相当する
輸出額を叩き出した。

税関総局の統計では各種の携帯電話と部品の輸出額が
2012年1月1日から4月15日まで30億USDを超え、
前年同期比で161.5%の増加となった。

また、ベトナムの輸出商品で電気部品は繊維製品に次いで
2位となり、コンピュータ、電気製品、電気部品等の輸出額は
2012年の1月1日から4月15日現在で18億USDに達し、
前年同期比で79.2%の増加。


サイゴンエコノミックスタイムズ  2012年5月24日

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