徒然なるままにハノイ:ベトナム正月「テト」
ベトナムでは、旧正月を正月として祝い、
今年は2月7日がその日に当たる。
この旧正月を、中国では「春節」、ベトナム語では「テト」と呼ぶ。
テトは、ベトナム人にとって、最も重要な行事である。
比較的長い休みも取れ、家族の絆を深める大切な時期だ。
実際、多くのベトナム企業や外国の企業も、
テトの前後を含め、4日程度の休みになる。
今年は、土日を含め、8,9日、休みになるところも多い。
テトが近づいてきて、町は、その準備でにぎわってきている。
テトの前になると、人もそわそわし、
新しい服を買ったり、
パーマをかけに行く人で、美容院が混雑したりと、
みんな、準備に余念がない。
ただ困るのは、単身赴任の外国人や観光客。
多くの店は休みになり、
餓死する!!と国外脱出する人も多い。
ハノイでは、テトの祝い花として、桃の花が有名で、
1月下旬になると、いろいろなところで、
即席の花市がオープンする。
たいていの家庭では、この花市で買ってきた花を家に飾り、
テトが来るのを待つ。
今年は例年よりも寒さが厳しく、花の開花具合もイマイチ。
それ以外にも、女性人は、
テトの1週間ぐらい前から、料理の準備に大忙しで、
大晦日には、台所の神様にお供えをする。
(これは、私も知り合いに聞いた話なので、
ちょっと細部にズレがあるかもしれないが、)
大晦日に、台所の神様が、神様の親玉(閻魔大王の説もあり)に、
その家庭のことについて、いろいろと報告する、という
言い伝えに基づくもので、
少しでも、いい報告をしてほしい、とお供えをするそうだ。
最後に、このメールマガジンを読んでいる方は、
やはりベトナムの企業のことが気になると思うので。
どこの企業も、慢性的な従業員・労働者不足に悩まされているが、
特に、この時期、テト前は、面接希望者が激減。
そして、テトが明けたら明けたで、
今度は田舎に帰ったまま戻らない従業員や転職してしまう人も多く、
多くの企業が頭を抱えている。
私が勤めている工業団地でも、5%強の人員減が予想されている、ということだ。
みんな、早めに対策を取ろうとは思いつつも、
ベトナム人の考え方には、なかなか勝てずに、
手をうてないまま、テトが近づいてくる。
渡辺 藍(Ai Watanabe)