« ベトナム金利 世界平均金利より高額 | メイン | ハノイ式100円ショップ その評判は!? »

2008年11月17日

繊維分野の輸出額 95億ドルを超える可能性低


繊維分野において、2008年の計画では輸出額が95億ドルを超えるとされたが、
現状ではこの目標を年内に達することは非常に困難だ。
輸出市場は2009年に大変動すると予想され、
外国の顧客が「節約」しているためで、これからは国内市場の開発戦略が重視される。
国内市場は海外より安易だが、マーケットシェアの拡大はそう簡単な問題ではない。

Le Quoc Anベトナム繊維協会会長によると、
世界経済危機は過酷であり、信用活動が混乱しているため、
輸入者が政策を変更するなどして、ベトナム繊維企業が窮している。
また、一般の消費者も節約を心がけているため、繊維輸出市場は益々困難に陥っている。
08年8月・9月の輸出額は、約9億ドルに留まり、
10月も7億ドル以下だった。

An会長はこの状況について以下のように述べた。
「今年の目標95億ドルに届かない可能性が高い。
 2009年の目標はまだ考えられない。
 繊維製品は主に輸出しているため、外国市場が悪くなると、
 すぐに影響を受ける。」

世界ランクTop10に入る繊維輸出国になるため、
ベトナム企業がしてきた努力を否認することはできない。
ベトナムはこの10ヶ月で、アメリカ市場No.3の繊維輸出国になった。
アメリカの繊維輸入額は5%減ったが、
ベトナムへの発注は20%増加している。

しかし、ベトナム繊維の原料は主に輸入であり、企業の売上はほとんどが加工料である。
従って、輸出額は高くても、ベトナム企業の収入にはならない。

外国市場から大きな影響を受けると、今後国内市場はどうなるか。
Nguyen Tieng Truongベトナム繊維グループ副社長によると、
国内市場規模は現在年間45億ドルであるが、
2010年までに、55億ドル~60億ドルに増加すると予想される。
しかし、ベトナムの繊維分野はこの15年間、主に外国市場に注目していたため
国内市場は開発していない。
国内市場のマーケットシェアは以下のようになっている。

40% 小規模の民間企業
30% 大手ベトナム繊維企業
30% 海外輸入製品
20% 中国製の製品


Truong氏は
「今後、繊維分野の取る戦略は、国内市場と輸出市場のバランスを取ることであり、
 消費者に対して最良の製品を提供することだ。
 ベトナムの製品はアメリカ、ヨーロッパ等の厳しい市場の要求に対応出来た。
 ベトナム消費者の要求に対応出来ないはずはない。
 我々は、ベトナム国内市場で最大のマーケットシェアを占められるよう努力する。」
と述べた。

Vinatexは顧客の信用を確保するため、
価格と販売ネットワーク、この2つの要素に集中して開発する。

ベトナムの人口は8000万人以上であり、
その多くは低収入で、年収平均は400USD~500USDである。
従って、消費者は主に合理的な価格の製品にしか注目せず、質を求めることは少ない。

Truong氏によると、GDPが年間1人当たり2000USDになる際に、
質の高いブランド製品を販売し始める。
現在、各企業は経費を節約し、合理価格の製品を製造している。
Vinatexの販売ネットワークについては、現在54店舗から今後さらに拡大する予定である。

上記の分析が合理的だと評価されるが、それは充分な評価ではない。
市場研究会社によると、ベトナム消費者は主にベトナム製品を使いたがるが、
単にまだ選択肢がないだけだ。
中国から輸入された製品はベトナム製品より安く、デザインが良い。

中・高級製品については、ベトナム製品の方が中国製より高く評価される。
顧客もあまり価格については考えていないためで、
例えば、Viet Tien会社は一枚100万ドンのシャツを大量に売り、
An Phuoc会社はPierrer Cardinの商標で大量のシャツを販売した。

ベトナム繊維協会によると、
2008年Viet Tienの国内市場における販売売上が4500億ドン以上に達した。
従って、国内市場に投資する企業が損をすることはないだろう。


証券投資紙 2008年11月17日


« ベトナム金利 世界平均金利より高額 | メイン | ハノイ式100円ショップ その評判は!? »

    ・本資料に記載された情報の正確性・安全性を保証するものではなく、
     万が一、本資料に記載された情報に基づいて
     皆さまに何らかの不利益をもたらすようなことがあっても 、一切の責任を負いません。
    ・本資料は情報提供のみを目的として作成されたものであり、
     投資その他何らかの行動を勧誘するものではありません。
    ・本資料の全部または一部を無断で複写・複製することを禁じます。

運営会社編集方針お問い合わせプライバシーポリシー