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2009年02月25日

国際経済危機の影響 長期発展に向けて


アメリカ金融危機の影響により、
世界経済は歴史的にも難しい局面を迎えている。
これは、どの国にも言えることだ。


Bui Kien Thanh-経済アナリストは、
ベトナム経済にとって今回の危機の直接の影響は、
それほど大きくない、としている。
しかし、多方面から発生する間接的な影響が、
ベトナム経済を悪化させており、
政府の政策によっては、更なる状況悪化を招きかねない、
としている。

アメリカ債券投資による損失は回避

世界中で多くの機関投資家、金融機関が、
アメリカの各種債券に投資していたため、
金融危機の影響をもろに受けてしまった。
しかし、Bui Kien Thanh氏によれば、
ベトナムの全ての機関、企業は、
アメリカの債券に投資していなかったため、
他の国ほどの損失を被ることがなくてすんだ。

具体的な損失

Thanh博士はベトナムに対する具体的な影響として、
まず、銀行システム内の金利が変動する際、
外国からの借金を再構成しなくてはならず、
金利を調整することになる、とした。

また、USD/VNDの為替レートが上昇するため、
外国投資家が投資品目を変更、USDに両替し、母国へ換金する。
政府は輸出に対して支援を行う必要も出てくる。
その他、FDIや在外ベトナム人の送金も減少するため、
大規模案件への外貨調達が困難になる。

また、各発展国の経済衰退により、
輸出減少が避けられない状況になっている。
一方で輸入需要は依然高いため、
今年も輸入超過が続く可能性が高い。

一方で、現在外国の輸出業者がベトナムに注目している。
人口約1億人を有するベトナムでは、消費需要も高く、
外国企業がベトナムで価格「切下げ」を行う可能性も高い。
特に、中国で輸出できない製品が、
ベトナム国境を越えて、大量に安価で売られることが予想される。

さらに、輸出企業は資金繰りの困難な1年間を経て、
多くの輸出契約が取り消しとなり、
回復が遅れることが予想される。
今後、多くの輸出会社が倒産し、失業が増加するだろう。
それにより、失業率の増加と成長目標にも
影響を与えるに違いない。

現在の国内外の状況から見ても、
証券市場と不動産市場は、下落傾向が続きそうである。

長期目標に達成に向けた政策を

先日政府は、臨時の経済対策を発表したが、
タン氏は、その場しのぎではなく、
長期にわたる安定的な発展に向けた、
政策の必要性を訴えた。

ベトナム市場の需要は、他の発展国の市場より高い。
アメリカ、西ヨーロッパ等の発展国では国内市場が大きく余り、
生産能力が大きすぎることもあるが、
ベトナムは製品の調達需要が高く、
生産システムの開発・現代化への需要も高い。
従って、生産企業やベトナム政府は国内市場に注目するべきである。

輸出分野については、
ベトナムの輸出製品の比較価値を研究するべき、
としている。
低金利政策を実施して、輸出製品の生産業を促進する。
また、付加価値税を切下げ、生産用資材の輸入税を上げ、
企業の収益税を下げること。
これは、経済発展にとって需要な対策である。

また、金利支援対策については、
他国の資金供給金利、
割引金利の政策を参考にするべきである。



Vneconomy.net  2009年2月24日

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