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2009年03月17日

財政投資 ブームの爪痕


多くの会社が赤字になる主な原因は、
財政投資の結果である。


財政投資総額

2008年、数多くの大企業は主な営業分野で
良好な売上成績及び利益を達成したが、
財政投資のリスクに対する準備資金を差し引くと、
最終的な結果は赤字である(表1)。

金融投資資金は大きすぎるので、
数多くの企業は投資品目を慎重に減らした。
表2はそれを表している。
主な営業生産分野における主資本が非常に小さい。
S&Pの基準によると、これらの企業は主な分野ではなく
金融投資分野の企業に分類される。

財政投資に関するリスクは以前から警告されていたが、
なぜこれらの企業が引き続き投資を促進するのか。
これらの会社の大株主の投資活動を見てみよう。

030916-1.gif
表1:営業生産活動による収益と財政投資リスクの準備資金の比較
(単位:10億ドン)


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表2:2008年末の上場企業の財政投資総額

財政投資が複雑すぎる

上記の大きな財政投資規模を説明するため、
Kinh Do株式会社とTribecoの場合を分析して見よう。

5年前、Kinh Doは一気にいくつかの「子会社」を設立した。
Kinh Do建設・食費加工株式会社(省略:Kinh Do)
の所有者はKinh Do投資有限会社の所有者と同じである。

この2社はKinh Do株式会社(KDC)
(Kinh Doは15.38%を出資し、Kinh Doの株主が22.7%を出資)
及び北部Kinh Do食品加工株式会社(KDC)
(Kinh Do投資有限会社が26.18%を出資)を設立した。
この2社において圧倒的な出資率を持つKinh Doは
当然この2社の支配権を有する。

それだけではなく、
Kinh Doの指導に基づいてKDCは
Kinh Do Binh Duong株式会社(KDCが80%出資)を設立し、
Kidoに28.33%を出資した。

Tribeco(TRI)の資本金の21%を所有する
Kinh Doの株主は間接的にTribecoの活動をも支配する。
TRIはKinh Doの拡大方式で
Tribeco北部とTribeco Binh Duongを開設した。

ここでの注目すべき点は、
KDCは引き続きこのTribecoの子会社の2社に出資した。
(2007年の会計検査報告書によると、
KDCはTribeco Binh Duongに105億ドンを投資した)
NKDはTribeco北部に15%を出資した。
従って、この2社はTribeco以外の会社による出資を得た。

ここで確認すべき事は、
TRIの2008年第4四半期の財政報告書の中は長期投資品目がある。
それによって、TRIはNKDとKidoに出資した。
従って、Kinh DoはKDC、NKD、TRIの大株主になるため、
他の会社又は自分の子会社に大きな資金を投資した。
これらの投資案件の損失は他の株主に担わせる。
Tribecoの例
TRIは赤字になったため、監査対象になった。
主な原因は財政投資準備資金が
全体の200億ドンのうち130億ドルまで引き当たった事。
(その中の170億ドンがKinh Doへの投資リスク準備資金)
2007年末、TRIはKDCから190億ドンを借入した。
Kinh DoはTRIに対して簡単に資金を貸し出し、
TRIが自分の株式を購入せざるを得ない状況になった。
TRI はこの投資案件で大きな損失を受けたと共に、
借入金利及び返済義務を担うことになった。

つまり、KDCは予備ファンド用の株式を購入したいので、
自分の資本金の一部をTRIに対して貸し出し、
TRIがKDCの代わりにKDCの株式を購入した。
また、予備ファンド用の株式を購入した後、
その会社の株価が引き続き下落しても営業成績に影響を与えない。
ただ、購入会社は自分の営業成績に影響を受ける。

予備ファンド用の株式を購入することによる損失は
本来ならばKDCの株主が担うべき所であるが、
TRIの株主が担うことになる。
分析によると、TRIの株主はこのようなリスクを
避けるためにはTRI株式を売却するしか方法がない。
TRIの大株主であるCGMLとCGMFPは
大量のTRI株式を売却する理由を説明した。
TRIは大きく下落し、TRIの所有率を上げるための最良な機会となる。

上記の分析は上場企業の現状を説明した。
多くの会社は生産活動中心に投資せず、
他の会社へ出資し、さらに新設の会社の資本金を使って
他の会社へ投資する。
法律面ではこの投資方式は禁止されないが、
財政投資活動に対する株主の監査が不足することを現した。
監査委員会が積極的に監査しないこと及び
情報の透明性が低いことは僅かな株主の権力を間接的に引上げた。



サイゴンエコノミックスタイムズ  2009年3月16日

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