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2009年05月12日

ベトナム証券市場PERは果たしていくらか


HOSEは、2009年5月7日のニュースレターで、
市場の最大時価総額を持つ50社の
PERの平均は15.47倍としたが
ほかの計算方式ではPERは24.9倍である。


PERは投資家にとって重要な指数であり、
一般的にも広く認知されている。
このPERを比較する際、
多くの人は株価が「高い」か「安い」を考えるが、
PERは実際には1年間の会社の全利益に基づいて
単純に計算された株式1単位に対する
投資資金の回収期間である。

PERは「E」の要素により様々な種類がある。
Eを最新年度の利益で計算した場合のPERは
「歴史のPER」と、
直近四つの各四半期に基づいて計算した場合
「各四半期のPER」と、
予想される1年間の利益で計算した場合
「予想のPER」とそれぞれ呼ばれるが、
ベトナムの会社の場合、
PERは毎日に計算されるため
「毎日のPER」と呼ばれる。

通常、情報提供会社(Bloomberg、Reutersを含む)は
四半期ごとに財政指数を計算が、
そのうちの一つにPERがある。

ただ、この計算方式は
資本金の構造に余り変更がない場合、
無償発行、既存株主に対する有利発行、
社員に対する有利発行等の活動などが
大きく影響していない場合にしか正確とは言えない。

ベトナムにおいては、
既存株主に対する追加発行の株価が
市場株価より高い場合もあった。

例えば、Vinaconex (VCG)、492交通工事建設会社、
Ha Tinh教材・教育機材会社 (HBE)がそうである。

また、HOSEとHastcのPERも
その計算方式によって結果はさまざまである。

PERは通常、
①時価総額に基づいて計算された
各子会社のPERの平均、
②市場のPER/市場全体の収入
(S&P 500と DowJonesはこの方式)、
③市場の時価総額/市場全体の収入、
のいずれかの方式で計算される。

ハノイ証券取引センター(HNX)と
ホーチミン証券取引所(HOSE)は
上場会社各社のPERしか計算しないが、
HOSEは2009年5月7日の日報で、
最大時価総額を持つ50社のPERを
15.47倍と発表した。

IMF, Merill Lynch, HSBCなどの国際金融機関が
ベトナムのPERについて分析しているが、
HSBCの最新報告書(23号・2009年5月6日発行)では、
HOSEのPERは12.9倍とした。
(2008年の収入に基づいて計算)

また、ベトナムのPERは
中国やタイ、その他のアジア新開発市場と
よく比較される。
しかし、市場のPERの計算方式には
様々な方式があり、
調整する項目も多く、
方式が統一されずに計算されたPERは
比較してもその結果に説得力はない。

また、外国機関も
ベトナムのPERについて発表するが、
計算方式を明示しないため、
発表した数字の持つ意味はさほど重くない。
そして、それらの機関の顧客および投資家を
「迷子」にしてしまう可能性すらある。

このような事態を避けるために、
PERの歴史的な価値を比較する際、
十分な専門性を持つデータベースを用いる必要がある。

2008年の国際金融危機の影響により、
2008年は、上場する361社のうち
31社が赤字となった。
現時点において、PERの計算で
それらの上場会社の赤字を
市場全体の収入に組み込むべきなのか。

それを考えれば、
大きな時価総額を持つ会社(REE、SAM、PPC)が
大きな赤字を計上した場合、
以下の二つの方式での計算は、
異なる結果となる。

時価総額に基づいて
平均のPERを計算する方式:

この方式で計算する場合、
HOSEのPERは24.9倍である。
この数字に対して、プロの投資家業界は
大きな驚きを見せた。

最近発表されたベトナム市場のPERは
約10倍しかなく非常に低くなっている。
ただ、さらに詳しく研究すると、
HOSEの最大時価総額を持つPVFとVLPの株は
年間利益の150倍以上の株価で取引されており、
市場全体のPERを高くしたのである。

つまり、ベトナム市場は上場社数が少なく、
50銘柄が市場の時価総額の50%を占めるため、
1社当たりの持つ影響力が大きいのである。

通常、営業成績が赤字になった場合、
市場全体のPERの計算対象にならない。
この方式で計算した場合、
HOSEのPERは32.4倍になる。
しかし、赤字会社を除外することは
ベトナム証券市場の実情において
適切な計算方式ではない。

なぜなら、ベトナム市場では
赤字の会社も引き続き取引が行われ、
高い流動性が維持される。
また、準備資金を引き当てる会社は、
ほとんどが赤字となるが、
主な営業活動により利益を算出する。

時価総額/市場全体収入:
この方式で計算された場合、
HOSEのPERは16.6倍になる。
また、2008年に赤字だった会社を除くと、
PERは12.9倍に低下する。
そして、この方式で計算した場合、
PVF、VPL等の最大時価総額を持つ企業の
株価の影響を避けることができる。

投資家は何に注意すべきか
多くの国際金融機関は、
ベトナム証券市場のPERを発表してきたが、
この発表の数字の根拠となるのが
その計算方式である。

一方、用いられたデータベースには
ベトナム投資家が接することができない。
例えばIMFが2007年初めに発表した報告書で、
ベトナム市場のPERに関する不合理な計算があった。
HSBCは、SSIのPERが251倍と
実際の10倍も高い間違いを確認した。
この原因は、ベトナムの会社から購入した
データが正しくないことにある。



証券投資紙 2009年5月11日

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