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2009年06月25日

保険市場の「明るさ」と「暗さ」


ベトナム保険分野全体は27兆ドンの売上を達成し、
2008年のGDPの2.2%に相当するが、
一方、様々な弱みも表面化してきている。
売上の構造については、
生命保険が10.334兆ドンで9.19%増加、
非生命保険(障害保険等)が10.879兆ドン、
再保険が1.050兆ドン、投資活動による収益が5.7兆ドン。
保険分野の投資総額は57兆ドンである。


保険分野の開発に関する問題

2008年には非生命保険(障害保険等)の売上が
2007年より30.13%増加したが、この成果を達するため、
各保険会社間で非健全で激しい競争が繰り広げられ、
結果、保険市場全体は保険営業が1635億ドンの赤字になった。
保険協会からのデータによると、
設立許可を得た非生命保険会社の27社中、
MSIGベトナム保険会社がまだ活動開始されておらず、
8社が2008年に黒字である。
Bao Viet保険が748億ドン、PVIが48億ドン、PJICOが9億ドン、
Bao Longが60億ドン、VNIが19億ドン、UICが507億ドン、
VIAが 305億ドン、SVIが 35億ドンの利益。
主資金の財政投資活動による利益、銀行の預金金利を得たため、
殆どの保険会社が2008年の保険営業活動の
赤字を補足することができたが、赤字になった会社もある。
例えば、AAAが-118億ドン、Bao Tinが-21億ドン、
Groupamaが-73億ドン、Libertyが-680億ドン、
ACEが-107ドンとなった。

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非生命保険会社の全体の主資本が11.027兆ドン(28%増)であるが、
資本金が規定の資本金より低いため、
2009年に増資しなくてはならない保険会社が
Bao Long保険、Bao Ngan保険、Bao Tin保険、
Hung Vuong保険、UIC、SVI、QBE、GroupPamaである。
保険協会の報告によると、市場全体が4.511兆ドンを賠償に使用し、
賠償の割合が41.5%である。
この賠償の割合 は実際の収益
(実際の収益が保険フィーの50%)より高い。
従って、2008年に多くの保険会社が赤字になり、
予備資金を利用しなくてはならない状況になった。
収益は主に投資活動及び預金活動による利益である。
その他、マクロ経済に関するあまり良くない状況も
保険分野へ直接影響を与える。
2009年は非生命保険会社にとって引き続き困難な年と予想される。
保険営業活動の成長率が減少
(通常GDPの成長率の3倍~4倍である)、
多くの企業が生産営業活動の困難な状況を改善できないため、
労働者の給与及び他の経費を払えない状況にあるので、
保険フィーを出せない事が当然の事になる。
外国直接投資も徐々に減少しているので、
保険の購入需要も減っている。
FDI企業は保険会社にとって大きなお客様である。
生命保険について、2008年の半ばからインフレが高く上昇するため、
期限前に契約を取り消すケースが多く発生し、
銀行から預金資金を大量に引き出さなければならない。
発展潜在力がある顧客が少なくなるため、
新期に締結できる契約も少ない。
生命保険会社全体は2008年に10.339兆ドンの売上を達成し、
2007年より9.3%増加するが、
新期契約の数は2007年同期と比べ13.71%減。
有効期限が切れた契約数が26.17%増加し、
期限前に取り消された契約数が508,652あり、
2007年同期より26.78%増加。
特に、契約1年目で解約する割合が2007年同期より8.83%増加。
返済額は2007年より48.6%増加する。
そのうち、 Prudentialが7600億ドン、Bao Vietが5800億ドン、
Manulifeが4510億ドンを返済した。
保険代理者(各保険会社と代理契約を締結した人)は
2008年末まで72,079人、2.29%増加。
そのうち、Prudentialが 25,594人、Bao Vietが15,535人、
AIG 8,998人、Dai-ichiが 8,389人増加した。
研修プログラムに参加した代理者は61,935人である。
これらの数字を通して代理者中に辞退者が多いとわかる。

2009年第1四半期末まで、新規に締結された保険契約数は11%減、
有効期限が切れる契約が15%増加する。
Phung Dac Loc-ベトナム保険協会事務局長によると、
保険商品の販売ルートが様々な弱みを現している。
近年保険分野は販売ネットワークの拡大と共に成長してきた。
従って、代理者が増えると売上が増加するので、
代理者の選抜及び養成の質が充分に注意されていない。

保険サービスの質についても、
特に賠償の手続きにおいてまだ様々な問題がある。
書類及び賠償の手順に関する情報が明確になっていない。
書類を簡易化すること、賠償の手続きがまだ改善されていないので、
賠償の書類は公安、病院等の権限がある機関から証明を得る必要がある。
損失を賠償することに関する保険会社の自己審査、
自己決定がまだ発揮されておらず、刑事化されている。
審査コンサルティング・賠償の解決コンサルティング会社
(中間企業)は有効的に活動しておらず、
賠償が遅れる企業に対して正しく処罰する方法がまだない。

背景

WTO加盟の約束によると、外国保険会社は
2008年よりベトナム市場で商品を販売することができる。
これは力の非均衡な競争を規制する。
ベトナム保険会社は外国企業の「武器」について分からないが、
外国保険会社はベトナム市場について良く知っている。
ベトナム国内で活動している保険会社は国家予算にVAT、
企業所得税、土地使用税等の税金を納入しなくてはならないが、
外国で活動している会社はそれらの税金は支払わない。
しかし、法律的な規定はベトナムで活動する企業にとって有利であり、
一番重要な要素である。
保険の購入者はベトナムの法律に基づいて合法的権利と利益を確保される。
外国で裁判になる場合は言語、弁護士、
外国の規定等の問題に直面する事になる。
新規定によると、
保険会社の資本金が非生命保険に対し最低3000億ドン、
生命保険に対して6000億ドンと規定されている。
従って、保険会社における主資本が段々増加し、
当然各会社間で再保険活動が行われ、
外国へ再保険することも近い将来の話である。

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サイゴンエコノミックスタイムズ 2009年6月24日

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