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2009年09月08日

ベトナム経済は中国ほどのスピードで回復できるか


ベトナム経済は、他のアジアの新発展国より回復が早いが、
中国ほどのスピードでは回復できていない。


ANZ銀行は9月のベトナム経済分析報告書を発表した。
これによると、同行はベトナム経済が命令的な構造により
他のアジアの新発展の国より早く回復する可能性が高い。

ANZによると、中国経済が印象的に回復できる主な原因は、
経済構造が命令的なものである。
アジアの新発展国の中で、ベトナムの経済構造が
中国と同様であるため、回復が早い。

ただ、ベトナム経済は回復しているが、中国は異なっている。

まず、ベトナムは会計バランスシートが中国より弱く、
外国投資資金(FDIと間接投資)が大きく不足しているが、
外国投資が減っている。

また、回復に悪影響を与える要素は、
公的分野の財政状況及び政策策定の能力である。

ANZによると、ベトナムは、1月に財政引き上げ計画を発表した。
ベトナム政府は、経済を回復させるため、
消費需要及び投資の引き上げに対して力を入れ、
税金を減免し、企業に対して資金の借入金利を支援し、
インフラ施設を建設、不動産、教育、医療の施設を建設するとした。

金融政策について、この計画は、重点分野における活動に対し、
4%の金利支援制度を適用した。
これらの資金支援は全てベトナム中央銀行の予算から支出される。

財政分野について、同計画は、企業に対する収益税を減少すると共に、
VATを換金し、納税期間を延期する。
今年の経済引き上げ計画の価値は60億ドル(100兆ドン)に相当し、
GDPの6.8%に相当する。

ベトナム– 主な経済成長引き上げ対策
財政政策企業の所得税を30%減少
2009年の税金納入期間を9ヶ月延期
「合理的な決算書類」を提出する前に輸出商品の
付加価値税の90%を返還
金融・財政政策2008年10月から2009年1月までベトナム中央銀行は
公定歩合の6倍を減らし、14%から7%に減らした。
ベトナムドンの準備資金率を1%減らし、
外貨の準備資金を2%を減らした。
2008年11月から2009年3月までUSD/VNDの
為替レートが5%変動し、変動枠が±2%から±3%に拡大
2009年2月1日から12月31にちまでの8ヶ月間で
資金貸出に対して4%の金利を支援
社会政策失業保険を2009年1月1日から実施
職員の給与、社会保険、失業保険等の資金借入に対して
金利を0%に減らした。
出典:政府関係機関のサイト

ベトナム経済成長は第1四半期に記録的に低くなり、
GDP成長率が3.1%に減らした。
原因は輸出が急速に減らし、国内の主な活動である工業生産が
かなり悪化したことにある。

低い成長率は2008年第3四半期に適用された
「小規模の会計バランスシートの危機」に対処するための
厳しい政策及び年末の国際経済危機によるの影響である。
経済引き上げ政策が有効になったため、
第2四半期にベトナム経済成長率が4.5%に達した。


その他、国内の営業活動の指数が引き続き改善される。
8月の工業生産が前年より10.6%増加し、年初より2倍増加した。

実際の小売の売上が急速に増加し、現在20%以上増加。
アジアの他の市場では、現在の経済成長は主に
国内市場の成長である。

ANZによると、ベトナムのインフレは
基本的に需要の圧力により再発する可能性がある。
現在、ベトナムのインフレが2008年9月の27.9%から
2.0%に減らしたが、8月から物価上昇の圧力が
また増加する傾向にある。

この3ヶ月の物価上昇の傾向に基づいて、
ベトナム物価上昇指数が短期間で1.25% ~1.5% になる可能性がある。

同行はベトナムの産量 が2.5%不足すると予測しているため、
中等の物価の圧力が引き続き増加する。
インフレが上昇すると、金利が低くなり、輸出需要を含む
全体の需要の引き上げの動力が増加する。

ただ、輸出分野の成長がまだ遅い。
アジアの他の国と比べてベトナムの輸出は
昨年末より急速に減らした。
8月に出港された輸出の量が去年より18.9%減となった。

その他、輸入はこの10ヶ月間で始めて8月に増加し、
前年同期より5.1%増加した。
電子部品、薬品の輸入額が一番大きく、
鉄とオイルの輸入がまだ少ない。

輸入超過が再び起こり、具体的には8月17億5000万ドル、
2008年5月から最も高くなった。

ベトナムでは外国資金は主に、直接投資資金(FDI)と
間接投資資金である。

母国の経済発展状況が悪化し、外国投資家が長期的に
VNDの長期的なリスクを防止する能力がないため、
FDIの実施額は7月に22.5%に減らし、46億ドルになった。
今年のFDIの投資申請額は80%減となり、101億ドルになった。
世界中のリスクが高くなる恐れを反映し、
資産の導入も急速に遅くなり、7月末までの導入資産が
2008年の4分の1になった(1億1400万ドル)。

この重要な2つの要素が同時に減ったため、
ベトナムは輸入超過が引き続き起こる可能性は低い。
逆に、これは経済成長を制限する可能性がある。

ベトナム経済の回復を阻止する要素は外側の要素であり、
清算バランスシートに対する財政供給が困難になり、
輸入と経済成長が当然制限される。



サイゴンエコノミックスタイムズ 2009年9月7日

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