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2008年07月11日

不動産債券が注目される


不動産の財政状況が困難になった時、
不動産企業は新しい資金調達ルート(不動産債券発行)を
使用する傾向にある。

現在、ほとんどの不動産企業は財政状況が
悪化してきている。
家屋購入者や、銀行からの資金調達ができなくなってくると、
一連の建設案件が頓挫し、投資主を危機的状況に追い込む。

そんな中、金融市場と不動産が連携した
「不動産債券」が注目を集めている。
この債券はまだ新しく、債券発行に特に基準がない。

2008年1月末まで、Sacomrealは、
Phu Loi案件(第8地区、ホーチミン市)の資金調達のため、
個別に1,000億ドンの債券を発行。
6ヶ月期限、年利 8.8%、額面 5億ドンであった。
債券購入者には、
Phu Loi案件のマンション購入権が与えられ、
購入単価が5%割引となる。
これが、不動産市場の活発の時期に実施されたこともあって
大成功した。
2008年3月、Sacomrealは再び、
Phu My案件(第7地区、ホーチミン市)に、
7,500億ドンの債券を個別発行。
8ヶ月期限、年利 12%、額面15億ドンであった。
債券1枚につき、Phu Myマンションの購入権が与えられ、
購入時には8%割引きとなる。

Sacomreal以外にも、
Thanh Cong繊維株式会社(HOSE上場見込み)、
Vinaconex Xuan Maiコンクリート・建設株式会社(HASTC上場)も、
このやり方で、債券を発行している。

先日、The Long Chauプロジェクト(Tuan Chau半島)の
投資資金が5兆ドンに上ると公表された。
この案件の債券には、別荘の購入権が添付されている。
現在、不動産ブームは下火だが、
まだまだ魅力的な投資ルートであり、
多くの関心を集めていることに変わりはない。

経済面では、これらの債券金利は、
企業にとって銀行金利より安い。
投資家にとって注目すべきは、
・金利と清算期限
・債券主に対する優遇制度
である。

通常、債券発行機関は、必要資金を計算し、
使用期間を確定、発行期限を決め、
主導的に返済計画を立てる。

金利についても、企業法によると、
債券金利は、発行以前3年間の平均利回り率より低い。
現在、ベトナム企業の利回り率は年間20%に満たないため、
企業の債券金利は、銀行の調達金利とは比べものにはらないのだ。

そこで出てきたのが、債券主に対しての
不動産購入の優遇制度である。

しかし、投資家の権利が明確でないというリスクもある。

本来であれば、投資家が家を購入する前に、
価格、面積等の情報は開示されていなければならない。
しかし、今までの債券発行はそれらが充分ではなかった。
市場の変動が予想できないため、価格もあいまいで
部屋も確定できていなかった。

債券の清算期限までに、
不動産が完売しないと、企業は清算性をなくすことになる。

こういった投資家のリスクを防止するため、
ある企業がマンションの単価を
1平米当たり1,200万ドン以下にすることを規定した。
またある企業は、不動産商品の説明の中で、
債券主には、債券購入しない場合に比べ、
かなり魅力的な値段を提示している。

金融、証券、不動産債券、
どの投資ルートも、市場変動の大きな影響を受けている。


証券投資紙  2008年7月10日


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