ブルーチップ ベトナム投資ニュース

危険信号

2009年1月の工業生産価値が大きく減少したことにより、
この危機はより明確となった。
この18年間、ベトナム工業生産価値は急速に発展し、
常に10％以上の成長率を維持していた。
ここにきて、工業生産価値が前年同期比‐4.4％となり、
去年12月から‐8.6％となった。
これは急成長終了を告げる危険信号であり、
今年の工業生産衰退を警告している。

長年、工業生産の大幅成長は、
経済の中でも大きな割合を占めていたため、
工業生産の衰退は経済全体の成長の引き下げに直結する。
その他、工業生産分野は
大人数の労働者を雇用していたため、
失業率が増加し、安定的な発展と社会福祉にも
影響を与えることが懸念される。

その他、1月の物価上昇率も低く、0.32％に留まっている。
1月の消費需要は、本来旧正月準備のため、
他の月より数倍高くなるはずのため、
今年はかなり異常といえる。
2月の物価は軽く上昇する可能性もあるが、
3月はここ10年前の状況と同様に減少する可能性が大きい。
このままではデフレ傾向となり、
この状況が長く続く可能性もある。

インフレ時期を経過したばかりベトナム経済にとって、
物価減少は経済状況を安定させるが、
国内需要の急速な衰退は、経済を悪化させる。
現在、人々は消費を節約する傾向にある。
このままだと、2009年のGDP成長にも
大きく影響を与えることになる。
人々の消費は、2008年のGDPの66％を占めていたからだ。

1月のベトナムの輸出総額は38億ドルに留まり、
前年同期に比べても非常に低い。
輸出総額の急速減少（24.2％）の原因は
石炭、繊維、靴、コンピューター、電気ケーブル、
プラスチック、自転車、部品等の
主な商品の輸出総額が急速に減少したためである。

ただ、一番大きな原因は、アメリカ、日本、EU等の
主力輸出市場の需要がかなり減少したことだ。
この傾向が続くと、
2009年の輸出成長目標13％の達成は難しくなる。
輸出の急速な減少は、
貿易バランスシートの赤字拡大を招き（輸入超過の増加）、
それがVND/USDの為替レートに圧力をかけ、
VNDがさらに安くなる可能性がある。

その他、ベトナムへの外国直接投資申請資金は
1月急速に減少し、前年同期から88％減少した。
VOAnewsによると、
1月の新期外国投資申請資金は2億ドルで、
昨年の17億ドルから、かなり下回っている。
この原因は、国際経済危機の影響であり、
この状況がいつまで続くか予測がつかない。
この10年、FDI資金はベトナム経済成長に対して
重要な役割を持っていた。
2009年、政府はすぐにでも正しい対策を実施しなければ、
ベトナム経済の発展のための主な動力を失いかねない。

上記を見ても、ベトナム経済はこの10年で
かつてない困難に直面している。
しかし、困難はチャンスと共に存在しており、
それらが経済構造の改善、安定的で長期的な発展の
基礎を作ることにも繋がるだろう。