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2009年06月02日

ベトナム国内の消費 増加の背景


5月にベトナム国外への輸出が6.8%減となり、
成長率の目標が13%から3%に修正された背景には、
経済の衰退防止の動力となっている「国内の需要」がある。


ベトナム国内の消費は、
小売分野及びサービス分野の売上で計上され、
この売上を増加させることが非常に重要である。

年初5ヶ月の統計資料を見ると、注目すべき傾向が見える。

1.消費商品の小売及び消費サービスの売上(前年同期と
  比較する物価の平均上昇率を除く)が急増。

2.上記増加率は2008年中旬までの増加率とは異なるが、
  2008年の半ばから今日までの増加率よりかなり高い。

3.上記の増加率はGDPの成長率よりかなり高く、
  第1四半期の売上増加率は6.6%。(GDPは3.1%)
  5ヶ月の増加率は約8.4%で、GDPの成長率の2倍となった。
  従って、国内の消費は徐々に経済成長の動力になっている。

4.消費商品の小売及びサービスの売上が増える原因は
  主に3つある。

①需要及び国民の消費意欲が高まっている。
これは、主に祝日(4月30日、5月1日の連休)の観光や
ショッピングの需要で明らかとなっている。

需要が急増する原因は様々であるが、この1年間に
高金利で預金した人は、多額の資金を得られた。

年初5ヶ月間、所得税が免除されたため、
収入にも多少余裕が出た。
さらに、国家予算から給与、手当てを受けている
一部の国民(定年退職者)は給与を引きあげられ、
新たに証券市場に参加した一部の投資家は
利益を得られ、その一部を消費した。

②市場が自由化体制に変更となった年から、
市場の売買を通じて消費割合は増加したが、
さらに増大している。

③消費者の多くは、低価格を利用して商品を購入した。


5.一般の成長率より高い成長率を有する経済分野では、
  個人販売(市場、店舗)が24.2%増となった他、
  民間分野においては、販売方式を大きく改善し、
  在庫の多い商品を安売りした結果、24%増、
  外国投資分野が22.8%増、団体分野が13.8%増、
  公的分野が2.6%減となった。

  したがって、商品の小売及びサービスの売上は、
  個人の販売が全体の57.2%を占め、
  民間が30.3%、外国が2.7%、国営が8.8%、
  団体が1%以下となった。

6. 活動分野については、商品の小売及びサービスの売上が
  主に販売分野に集中しており(78.4%)、
  一番高い成長率(21.9%)となっている。
  これは、国民の所得が依然低く、経済危機に陥っているためで、
  物資の消費が増加する傾向にあるからだ。

  観光の需要増加率21.6%と、2番目に高くなっているが、
  割合は1%と依然小さい。
  国内観光は増加傾向にあるが、外国観光客は急減している。



Vneconomy.net 2009年6月1日

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