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2010年07月30日

自国利益優先目立つFDI企業 現地利益還元への手立ては


商工省の発表によると、年初6ヶ月で
FDI企業の輸出額は146億USDを達成、前年同期比39.5%増加となり、
全国の輸出総額の45.5%を占めている。


大手FDI企業の主力輸出品は、
靴(72.2%)、コンピュータ部品(98%)、
電気ケーブル(92%)等である。

FDI投資資金の異常性

ベトナム側は、FDI資金が主に工業、農業分野に投資し、
技術移転や現代化の導入に繋がることを期待したが、
実際、資金の流入先はサービス分野に集中している。

20年前、外国直接投資資金(FDI)は、ベトナム経済成長に大きく貢献した。
ただ、これらは資金力強化、就職状況の改善という
量的な部分では強化されたものの、
技術移転、労働者の技術向上や現代化、といった
質的な部分ではまだ現れていない。

作為的な業績赤字

外国投資関係企業協会(VAFIE)の会長によると、
投資開始から最初の10年、
外国投資家は主に、合弁会社設立を通して
資金導入を行ってきた(全体の70~75%)。

ただ現在まで、外国投資関係企業の75%が100%外資系の会社となっている。
これは異常な状態ではあるが、
将来への影響については、まだ評価できない。

ベトナムで活動するFDI企業の異常なところは、
殆どの企業が資材・原料の輸入価格を引き上げ、
業績赤字として報告し、大きな利益を母国に送っていることだ。

この問題は、自動車製造業に顕著だという。
ホーチミン市税務局の統計によると、
2009年、FDI企業の実に60%が赤字報告を行った。
主な原因には経済危機が上げられたが、
2007年と2008年にも、それぞれ
70%と61.3%のFDI企業が赤字報告を行っている。

投資構造のアンバランス

1996年から2005年まで、
政府は農林水産原料生産地域へのFDI投資に対し、
特別な優遇制度を適用した。
しかし、2008年までで、該当分野に投資を行ったFDI企業は
非常に少ない。

逆に、2006~2007年の2年で、
サービス分野への投資案件は、
数は+2.59%、申請額は+2.56%となっている。

オフィス・住宅建設案件は-0.9%となったが、申請額は+3.32%となった。
そのため、不動産への投資規模が相当増加している。
特に、2008年に入って投資分野の構造が大きく変わった。
申請額の18%が石油分野、32%が重工業分野、
3%が軽工業分野、24%が不動産分野に導入されている。

ただ、不動産投資案件は普通投資期間が長いため、
経済社会に長期的な影響を与える割に、
技術移転や向上への効果が低い。
2009年時点で10%の企業が70年代の技術、
30%が80年代の技術、50%が90年代の技術を利用しているのが、
ベトナムの現状である。

ベトナム国家中央経済研究学院によると、
FDI調達開始から20年を経てもなお、
外国からの現代技術の導入は、まだ見通しが遠いのだという。
また、FDIセクターの場合、
輸入額が輸出額を大きく上回るため、
外国通貨供給源が拡大されない。
そのため、GDPの一部が外国に持っていかれる格好となり、
ベトナム経済発展の支えにはならないのだ。

計画投資省によると、この7ヶ月で
全国のFDI企業は、12.21億USDの輸入超過となっている(原油を除く)。

投資許可剥奪が増加

Da Nang投資促進センター(IPC Da Nang)によると、
この3年間で投資許可を剥奪された外国案件は4件あるという。
理由は、計画通りに投資を展開しなかったことで、
そのうち2件は大規模案件である。

2007年4月、Da Nang市人民委員会は
Vinamobi VNとZentek Technology Singapore Pte Ltdとの
合弁会社の設立案件に対し、投資許可と貸出土地を剥奪した。
この案件の投資総額は2,500万USDに上る。

同様の原因で、2009年6月、Da Nang市人民委員会は
Ba Naゴルフ場の投資案件に対する許可の取り消しを決定した。
Ba Naゴルフクラブ有限会社
(韓国のLado Filter Engineeringより出資)を期限前に解体した。
この計画は計画投資省から2006年9月に投資許可を受けており、
投資申請額は1,200万USDであった。

7月29日のQuang Nam省人民委員会によると、
アメリカのTANO Capital とGlobal C&Dの巨大案件(100億USD)の
投資許可剥奪に関する最終手続きが行われているという。
この案件は、2009年9月に投資許可が下りているものの、
規定に基づいた資金のデポジットが行われなかった。

増える延期、内容変更

また、数十億に上る巨大案件、
Son Duong Formosa (Ha Tinh省)とGuang Lian Dung Quat鉄工場は、
投資の実施が数年間延期された。

計画投資局外国投資局の統計によると、
100%FDI企業上位100社の中で、
Hung Nghiep Formosa鉄有限会社
(台湾のFormosaグループにからの投資案件)は最大規模で、
投資額は160億USDに上る。

第7位に位置づけるGuang Lian VN有限会社は、
当初投資申請額 30億USDであった。

上記の2案件は、投資家の財政力不足が原因で、
実施期間が数年を延期されることになった。

Son Duong Formosa(Ha Tinh省)鉄工場は
投資主がHung Nghiep Formosa Ha Tinh有限会社で、
2008年6月12日に投資許可発給を受けている。
この案件は大規模で、完成すれば生産能力は年1,500万トンとなる。
工場稼動の際には1万人の労働者が雇用できる予定。
ただ2010年4月、投資家は
Ha Tinh省人民委員会と関係機関に、
案件実施のための、特別な資金借入制度の実施を要請している。

原因は、第1段階で、年約20億USDの借り入れが必要になることである。
この要請に対応できない場合、
投資家は資金調達が困難となる。

Quang Ngai省のGuang Lian Dung Quat鉄工場への投資計画は、
投資内容が4回も調整されている。
現在、この案件の実施期間は当初計画から約3年遅れている。
投資家は、生産能力を年間500万トンから700万トンに引き上げ、
投資資金は30億USDから45億USDに引き上げた。
投資家の報告によると、現在までに3,850万USDを出資しているという。

ただ、ベトナム鉄協会会長は、
投資家の投資状況報告は正確さに欠く、と指摘している。



InfoTV.net  2010年7月30日

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