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2011年02月16日

対外投資の管理体制 甘さ目立つ


2011年1月、海外への資金投資は8億USDにのぼり、
また2月上旬にはラオスへ1.45億USDを投入していることから、
2011年のベトナム企業の外国投資活動は、
良いスタートが切れた、と言えるだろう。


上記投資資金は、主にカンボジアとラオスでの
水力発電分野に導入されており、
国際EVN株式会社とHoang Anh Gia Laiグループが、計画を実施している。
計画投資省外国投資局からの情報によると、
近日中に別の水力発電投資案件が、認可される可能性が高いという。
この案件の実施機関も国営企業となっている。

認可されたばかりの新規投資案件の資料を見ると、
ラオスでのNam Kong2とNam Kong3水力投資計画を
実施しているHoang Anh Gia Lai会社は、民間企業であるものの、
他の案件の投資主は、国営企業となっている。

例えば、Vietinbankがドイツ支店を開設したり、
Viettelがペルーで通信許可を発給されたり、
といった小規模案件ならある。
しかし、外国投資活動については、
国営企業がまだ圧倒的に有利な状況である。

外国投資関係局の分析によると、
国営投資主は大半株主資本を使って投資を行う。
ベトナム石油グループ、ベトナム石炭・鉱山グループ、
ベトナムゴムグループ、軍隊通信グループ、Song Da公社の5社だけで、
外国への投資総額は約12.4億USDに達し、
全体の69%を占めることとなる。

ただ、これら案件の利益は非常に小さい。
外国投資管理局の発表によると、
今までベトナムに送金された外国投資案件の利益は、
約3,160万USDであるという。
しかも、それらの利益は全て、石油投資分野のものであった。

理由は大半が、資金の回収に時間のかかる分野
(鉱山開拓、石油、ゴム栽培、電力等)に投資されているため、
投資効果が、まだ計算できない状況にある。
また、外国投資管理局によると、
外国への直接投資に関する規定No. 78/2006/NĐ-CP が、
まだ正しく守られていないという。
情報不足、基本建設投資活動に関する個別管理体制、
企業運営経費管理体制がまだ整備されていないため、
外国への国営企業の投資効果は評価しにくく、
外国への投資資金が大きいほどリスクも大きくなるといえる。

また、ベトナムの法律が、投資先国と一致していないため、
投資主が困難に陥ることも多い。
さらに、ベトナムの入札規定に従うことを、
外国パートナーに説得することも、大変難儀である。



CafeF.vn  2011年2月15日

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