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2011年05月30日

ベトナム経済の特徴


経済対策を実施する前に、
ベトナム経済の特徴を研究しなければ、
良い成果は得られない。
以下はベトナム経済の特徴の分析である。


1.統計データの正確性に問題

ベトナムはまだ現金経済であり、多くのデータを
正確に計ることができない。
また、発展途上国であるため、計測方法と統計手段も
不足している。

情報公開や報告にはまだ穴も多く、透明性が低い。
報告内容の正確さについての監査も、
依然積極的に行われていないため、
特定の機関の統計に基づき、経済政策や解決方法を
探ることは正しいとは言えない。

ベトナム機関の統計データの正確性も低く、
他の情報源を参考にし、いくつかの計測方法と予測方法で
適切な統計データを作成してから、
経済政策を策定するべきである。

2. VND切り下げも輸入超過減らず

ベトナム経済は輸入活動に大きく依存しており、
毎年、国内生産できない商品と資材を、外国から輸入している。
多くの輸入資材が加工産業用のものである。

VNDを切り下げた場合、理論上は輸入超過額が減るが、
実際のところは、VNDを連続で切り下げても、
輸入超過額が増加している。
資材が国内で生産できないものであるため、
輸入に頼らざるを得ない。
輸入単価が下がらないため、輸出単価も下げることができない。

3. 厳しい財政政策実施もインフレ上昇抑制できず

インフレを抑制させるための一般的な方法は、
厳しい財政政策を適用することであるが、
ベトナムでは余り効果が出ていない。
通常は、厳しい財政政策を適用すれば、
銀行の金利が引き上げられ、国民の預金が増え、
企業の借金は減り、流通資金が減るため、物価が下がる。

しかし、ベトナムでは、預金金利が年間20%に上がっても、
国民が短期間しか預金せず、その理由は、
いつでも銀行からお金を引き出せると考えているからである。
企業の借金は減ったが、活動を維持するために、
大幅に減らすことはできない。
国民の消費需要も、日用品が多く、大きく減ることがない。
厳しい財政政策が適用されても、日用品の価格は下がらず、
逆に、金利の引き上げが、生産コストを高め、
生産活動が中止になり、商品が不足する。

その他、ベトナムでは、インフレ上昇に対する心理影響が大きい。
ガソリン、ガス、電気の販売価格が値上がりすれば、
他の商品の販売価格も上昇する。
ベトナムの物価は国際市場の物価に大きく依存し、
国内生産の資材が多いため、厳しい財政政策が実施されても
インフレの上昇を抑制できない。

4. 業績不振でも倒産できず

企業の合併、解体、倒産に関する法律がまだ充実していないことや、
失敗を恐れる傾向があり、企業は「倒産を避けている」状況である。
そのため、業績が悪化しても、企業は引き続き活動を維持している。
企業活動の改善も難しくなっている。

経済全体で見ても、不調な企業が多ければ、
経済は発展できないだろう。



サイゴンエコノミクスタイムズ  2011年5月30日

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