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2011年06月01日

迫られる都市鉄道整備 資金源はどこに?


現在国内都市部では、交通渋滞を解消させるため、
公共交通機関を一新、交通インフラを整備する必要に迫られている。
その中で注目を集めているのは、市内鉄道と地下鉄の整備である。


ただ、第一の問題は、資金源である。
この市内鉄道整備計画に対する最大の投資元は、
アジア開発銀行(ADB)であるが、
それだけでは足りず、他の資金源も必要とされている。

渋滞の深刻化 道路不足

ハノイ、ホーチミン両市では、今後5年のうちで、
公共交通機関の開発が間に合わず、
個人の交通手段(バイク、車等)を減らすことができなかった場合、
道路が完全にパンク、深刻な道路不足となることが、予想されている。
ハノイ市では、バイクや車両の数が、
年10~12%のペースで増加している。

ホーチミン市では、人口が現在の900万人から、
2015年には1,400万人に増えると予測されている。
現在、この大都市の交通渋滞は、
ラッシューアワーが特に深刻な状況となっている。
今後5年で、人口増加に伴い、車両数の増加も見込まれるため、
道路が車両で埋まってしまう図も、容易に想像できるのだ。

Robert Valkovic - ADB東南アジア交通担当は、
品質の良い大量輸送の手段を整えない限り、
今後10年でハノイ市の発展は、鈍くならざるを得ないだろう、
と分析している。

ホーチミン市も同様で、交通集中による渋滞が深刻化すれば、
交通費用も増加し、物品の競争力も弱まり、
結果的には、経済成長率の低下が予測される。

交通戦略開発研究学院の代表によると、
現在の公共交通機関(主にバス)では、
国民の需要に全く対応できていない状況にある。
そのため、地下鉄の整備、市内鉄道の整備が、急務と考えられる。
2020年までの交通開発計画によると、
ハノイ、ホーチミン両市では、
10路線の鉄道が整備される予定となっている。
さらに2030年までに、両市の鉄道整備は完成される予定である。
ただ現在、その投資資金の調達が、最大の問題となっている。

投資資金不足の解決法

鉄道整備ともなれば、投資資金は巨額に上り、
技術的にも高度なものが要求されるため、
市内鉄道整備計画には、主に外国支援で実施されることになる。
具体的には、投資資金の80%がODA(外国金融機関等の支援)であり、
その中で、ADBが最大の支援機関となる。
ただ、長期的には他の資金源を探さなければならない。
Tsuno Motonori - 駐ベトナムJICA事務所所長は、
「PPP方式による民間企業の投資資金調達が最も現実的で、
 ベトナムの安定的発展に対して重要な方法といえる。
 長期的なベトナムが社会経済開発のためには、
 大量資金を調達しなくてはならないからである。」と述べた。

ベトナム鉄道総局によるは、
ハノイ、ホーチミン両市の鉄道・地下鉄整備計画によって、
ベトナム鉄道総局は各都市の特徴を研究し、
投資を分類、投資資金調達に向けて、
幅広い宣伝活動を行う予定である。



サイゴンエコノミックスタイムズ  2011年6月1日

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