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2011年07月29日

東南アジア一少ないベトナムの外貨準備資金:ADB調べ


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ADBによるとベトナムの外貨準備資金は、1.6ヶ月の輸入額相当となっている。
年初7ヶ月での輸入額は130億USD以上に達した。


4月に発表されたアジア開発展望報告書の中ではベトナムの短期的経済成長に対する
ADBの評価は変わっていない。それによって、2010年の7%より低いものの2011年の
GDP成長率が6.1%で維持され、2012年には6.7%に達すると予測されている。

2007年~のベトナムインフレの変動、出典:ADB
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ADBはベトナムの経済成長スピードが遅くなった原因は、インフレ抑制を睨む政府が
厳しい金融政策を実施したことや公的支出の減少にあるとしている。2011年6月末の
物価は前年同期より20.8%の上昇を示している。このインフレ上昇率はADBによる
東アジア14カ国に対する調査結果で最高の比率となっており、2番目に付けている
ラオスの2倍という高いものである。

VNDがアジア地域の中で一番大きく暴落した通貨、出典:ADB
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ベトナムはインフレ上昇問題に直面するとともに、銀行ネットワークにおける流動性等の
問題にも向かい合わなくてはならない。ADBの統計によればベトナム銀行システム全体の
貸付資金/調達資金の比率が2011年3月末までに106%近い数値となり、アジア地域では
韓国に次いで2番目に高い国となっている。7月現在における国家予算の超過支出比率は
8%に上昇し、調査対象の14カ国の中では一番高い値を示している。

ベトナムの外貨準備資金は1.6ヶ月の輸入額相当のため、東アジア地域の中では最低の
外貨準備資金を有する国となっている。外貨準備資金が少なく超過輸入額が大きいため、
ベトナムはVNDをUSDに対して9.3%切り下げた。VNDはアジア地域でUSDを切り下げた
少ない通貨の中で一つである。

Vn-Indexも暴落、出典:ADB
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ADBの分析では、この危機によって特に給与・物価の問題がベトナムの経済成長に継続的な
影響を与え、他にも日本の経済復興状況やアメリカ・ヨーロッパなどの財務危機の影響で
国際金融危機が大きく変動し、投資資金の導入が不安定になるとされている。

アジア開発銀行はベトナムでインフレ抑制のための年初から適用された対策に応援を行う。
また、ADBは国際市場の物価上昇による影響を減少させるため、ベトナムを始めとする
アジア各国に対して柔軟な為替レート制度を適用することを勧める。

ADBの予測は東アジアの新発展経済国のGDPが2010年の9.3%より急激な減少を示し、
2011年に7.9%、2012年に7.7%となる可能性があるとしている。
中国の経済成長スピードは少し遅くなったが、今年中に9.6%、2012年には9.2%に
達することが予測されている。アセアン地域の中ではタイ、マレーシア、フィリピンの
GDP成長が多少鈍化するが、インドネシアだけは6.4%に成長し、2010年の6.1%より
高くなることが見込まれている。


CafeF.vn  2011年7月29日

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