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2012年02月16日

Alan Phan博士激白、2012年はM&Aの大変動期


外国企業はベトナムの企業を買収するチャンスに恵まれているが、
最近は上場株も非常に安くなっているため、上場企業の買収も
やりやすくなっている。


ただ、ベトナムでのM&A活動は積極的だが、問題も山積されていて
各企業はこのチャンスをまだ利用できているとは言い難い。
以下は「2012年投資家の祭り」のイベントでViasa投資ファンド会長の
Alan Phan博士に対して行われたインタビューの内容である。

問:今後のベトナムでM&A活動はどのような傾向になるか?
 
答:私の考えでは2012年にM&A活動が大きく変動し、M&A分野も多様化する。
経済が変化すると強い企業と弱い企業の差が広がってM&A案件が増える。
しかし、ベトナムでのM&A活動は様々な問題と向き合わなくてはならない。
M&A市場を確固たるものとするためには、強い財政力を持つ企業が参加して
十分な情報を提供することで、多くの投資家の関心を呼ぶ必要がある。

ベトナム経済は国際経済の衰退によって変化しており、投資資金の導入が
減少している。そして、外国の投資家はベトナム政府の動きと政策に
興味を持っている。これは交差点でどっちへ曲がるのかと同じことである。

問:銀行ネットワークが再構築され、そこではM&A対策も提案されている。
このことについてどう考えるか?


答:ベトナム銀行は流動的な問題と対峙している。現時点でベトナム銀行の
再構築や救助の動きは明確に見えてこない。正規情報によればベトナム政府は
銀行の倒産を認めないため、資金の供給もしくは小規模で力の弱い銀行の
M&A対策を実施しなくてはならない。金利を減らす対策も必要である。

銀行のM&Aは弱小銀行を一カ所に集めたものではない。
3人の病人が一つのベッドで休むと、回復どころか逆に病気をうつされる。
また、大手銀行が全て良いというわけではなく、銀行数・規模の問題や
運営能力の結果となる予備資金と不良社債の管理、経営状況が最も重要である。

問:どんな分野がM&Aの対象となっているのか?

現時点で最大級の市場は証券市場と不動産市場である。
この2つには外国企業がベトナム企業を安く買収するチャンスが多い。

だが、安価なことはリスクも大きい。外国の投資家は嗜好性が様々で、
競争力がある会社や同様の分野で活動する会社などが選ばれる。投資家は
自分の目的に合わせて投資策を選択する。

日用品の分野などはM&A活動が盛んに行われていて、これらはどの市場でも
社会的に大きな比率を占めている。また、この分野は経済衰退の影響を
あまり受けていない。

問:ベトナムの経済に最も大きなチャンスを与えるのはどんな分野か? 

答:ベトナムの企業では農業とITが様々なチャンスや将来的な展望が見込め、
投資家には魅力的な分野である。経済運営のシステムにまだ問題点があるため、
今後はITが急激に発展する可能性がある。現状のIT分野は運営システムと
関係なく、若者中心なので会社の規模も小さいが、このような状況だからこそ
簡単に発展を遂げる。

ベトナムは農業国であり、環境と土壌が農作活動を支える。今後は農業が
国際経済にとっては重要な分野となり、全世界の人口が増えるとともに、
農業がニーズの大きい市場を確保する。
このチャンスを把握できる企業は、今後大きな成長を遂げるだろう。

問:しかし、農業は付加価値の高いものをまだ生産できていないが? 

農業に対する見方を変えなければならない。
なぜ、Starbucksがコーヒーを栽培することなく大きな売上を達成し、
それがベトナムのコーヒー栽培会社全ての売上合計を上回るのか?
ベトナムの農民が得た利益はStarbucksの1%にしか相当しない。

また、Uncle Ben’sは米の販売会社で、ベトナムのように年間数百万トンの
米を輸出しているわけではないが、ベトナムにある全ての米輸出会社より
大きな利益を生み出している。

ベトナムの企業が市場と技術を掌握することができ、ITをうまく応用した
販売ネットワークの運営が可能ならば、農業関連では世界一になれる。
問題は市場との接点やブランディング、そして価格競争などである。

サイゴンエコミックスタイムズ  2012年2月16日

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