« 貿易企業 企業PRへの意識薄く | メイン | 外国の投資資金調達、アジアNO.1はベトナム »

2012年04月23日

ベトナム自動車産業 課税撤廃を前にした危うい今後


2018年は、ベトナム自動車産業にとって、
大きなターニングポイントとなる可能性が高い。


この「転換期」について、
以下に2018年に発生する可能性が高い状況を挙げてみた。

・車両生産工場、組立工場で働く技術者約10万人と、
 他の間接的な労働者20万人が失業する見込み。

・ 数十の工場、数百の生産レーン、
 数千か所の設備が使用されない状況になる。

・ 自動車産業から国家予算への資金納入が大幅に減少となる。

・ 数百社の自動車部品生産会社が経営困難になる。

・ 交通渋滞・交通事故は、引き続き社会の大きな問題である。

上記にあげた状況は、すべて仮定である。
しかし、その仮定を覆すためにベトナムが持てる時間はあと5年。
これは、自動車産業の将来を完全に変えるにはかなり短い猶予と言えるのではないだろうか。

Akoto Tachibanベトナム自動車産業協会(VAMA)元会長は、
政府が今後、適宜適切な政策を実施しなかった場合、
2018年までに、国内で活動する外国自動車会社は最大でも3社が残るのがやっとで、
それも合弁会社方式で活動することになるだろう、と話している。

現在、VAMAに加盟している会社は全部で18あり、
労働者数は6万人以上にのぼる。
非加盟の自動車会社の社員も加えると、
ベトナム自動車産業では、現在約10万人の労働者を抱えていることになる。
商工省の計算によると、現時点で
自動車関連の間接的な労働者数は20万人で、
数年後には必ず増加する見込みであるとのこと。

ベトナム自動車産業の将来について様々な意見がある。
中には、ベトナム自動車産業は回復の見込みなし、
倒産する、という意見も少なくない。
一方で、回復は大変難しいかもしれないが、
チャンスはまだあり、東南アジア地域での競争力はまだまだ高い、
と言う意見もある。

ただ、こうした期待感のこもった意見は、個人的な意見が多い。
実際、国内の自動車産業生命は、
政府政策に大きく左右されることになるだろう。

政府政策はこれまで、余りにも何の効果も発揮できていない。
何年も前から検討されている自動車産業新期開発戦略さえ、
まだ完成していない状況である。
政府がのんびりした対応なのに対し、
各自動車会社は、5年、10年という期間で
大きな転換を作ることは難しいだろう、と言う予測を立てている。
また、アジア地域の他の国と比べても、
ベトナム自動車産業は、数十年遅れと評価されている状況だ。

自動車産業がこれから発展していこうという国では、
国内市場が重要な役割を担っている。
輸出の前には、国内市場の容量がある程度大きくなければならない。
企業の生産活動を開発するためにも、
製品単価を下げるためにも、市場の容量は決定的な要素なのである。

二十年前、ベトナム進出を決定した外国自動車会社が掲げた、
前提条件とは、人口の多いこと、
国内市場の容量が大きいこと、
外国投資に関する政府政策が良く実施されていること、であった。

ここ数年、ベトナム自動車産業市場の容量は年間約11万台である。
ある商工省職員は、
「自動車会社20社が、11万台の市場をどうやって分けるかの競争になってしまっている。
 ベトナム自動車市場が今後、どの様に発展していけるのか、
 その将来を想像できない」と語った。

ベトナム自動車産業は現在、一方で市場開発を進めたいと考える中、
他方で、販売制限し、市場の幅を縮小したいと考える状況ができてしまっている。

インフラ整備が進まず、交通安全面の管理も弱いため、
交通渋滞、交通事故の問題は日々深刻化してきている。
この状況を作った主な原因として、車両の増加が挙げられているため、
車両の利用を制限する政策が出された。
この一連の課税と手数料制度が、市場の発展を阻む状況を作り出している。
現行の政策によれば、今後、車両1台につき、
その所有者は12種類の税金と手数料を払わなければならないことになる。

ただ、国際市場に参入していく場合、
こうした車両の税金問題や、市場の容量の問題は、そんなに重要ではない。

2018年はアセアン各国からの車両輸入に対する課税が
0%に下げられることになっている。
(現在は72~82%)

これまで、ベトナムの主な自動車輸入元は、
アメリカ、中東諸国、日本、韓国であった。
課税0%になると、なぜ、アセアンからの輸入車が
ベトナム自動車産業に大きく影響を与えることになるのか?

アセアン地域で自動車産業が急速に発展しているのは、
タイ、インドネシア、マレーシア、フィリピン等の国である。
ここには、世界的にも有名な自動車会社の部品生産センター、
輸出用車両組み立てセンターなどがある。
そのため、これらの国で生産された車両は、
他の国と比べても品質面や設計面で余り変わらない。
また、多くの自動車会社が、
各市場での販売製品の格差を排除する戦略を実施している。
例えば、Fordの One Ford、ToyotaのIMVなどである。

ベトナム自動車産業に対する圧力が存在し、倒産の危機があるのは事実である。
本当にそうなれば、ベトナムはアジア地域だけではなく、
世界的に見ても大きな自動車輸入市場になるだろう。



Vneconomy.net 2012年4月23日

« 貿易企業 企業PRへの意識薄く | メイン | 外国の投資資金調達、アジアNO.1はベトナム »

    ・本資料に記載された情報の正確性・安全性を保証するものではなく、
     万が一、本資料に記載された情報に基づいて
     皆さまに何らかの不利益をもたらすようなことがあっても 、一切の責任を負いません。
    ・本資料は情報提供のみを目的として作成されたものであり、
     投資その他何らかの行動を勧誘するものではありません。
    ・本資料の全部または一部を無断で複写・複製することを禁じます。

運営会社編集方針お問い合わせプライバシーポリシー