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2012年07月30日

国一番の債務者は誰だ?曖昧な責任の所在


これは今まで一度も公表されたことのない秘密である。
ある国家財政監査委員会の役員によると、
不良社債の200兆VNDのうち、
最大額を負担している主な「犯人」は二つ、
国営企業と民間企業であるという。


「犯人」の正体

先日発表された国家銀行監査機関のデータによると、
不良社債(回収不可の借金)が、
ベトナム銀行ネットワーク全体の貸付総額の8.6%を占めているという。

2012年3月31日までの統計では、
不良社債の大半(50.5%)を占めているのは国営商業銀行で、
民間商業銀行が27.8%、
外国銀行が4.2%、他の財政機関が17.5%を占めているという結果だった。

ただ、経済の血流を滞らせている犯人は、
これまで明らかにされてこなかった。
2012年7月上旬、Bui Quang Vinh計画投資省大臣は、
国営企業の借金は1.008兆VNDを達したものの、
株主資本は790兆VNDであることを明らかにしていた。

そのため、国営企業セクターでは
借金/株主資本は1.36倍とされていた。
ただ、その中で借金が株主資本の
3倍以上となった企業が30社あった。

典型的な例でいえば、Truong Son建設公社がそれにあたる。
負債は株主資本の9.19倍となっている。
その他Licogiインフラ建設会社 4.79倍、
HUDグループ 4倍、
電力公社(EVN) 3.83倍、
Vinalines 3.12倍等がある。

国営企業の銀行借金と比較すると、
上記数字は、銀行ネットワーク全体の貸付総額の半分ぐらいになる。
(約2,500兆VND)。
その中で、国営企業の不良社債は半分ぐらいを占めている。

これまでに、国営企業の実際の借金に関する正確な統計は、
まだ発表されていない。
ただ今年は、経済状況も徐々に困難になってきており、
国営企業の借金は引き続きかなり増加している模様だ。

その中で、多くの借金がより高いリスクのある借金グループに移された。
Cao Sy Kiem元国家銀行総裁は、
銀行の不良社債の実に70%が国営企業のものであり、
民間企業の借金は小さい、と語っている。
また、不動産、証券等の主体分野以外の分野への投資による借金が
殆どであるというのだ。

ベトナム監査協会副会長-Dang Van Thanhによると、
国営企業の借金項目は非常に複雑で、
企業と企業、企業と銀行が重なっている、という。
そのため現在でも、国営企業の借金が、
銀行ネットワークの不良社債の何パーセントを占めるか、
正確な統計が出せない状況にある。

また、ある国家財政監査委員会の役員によると、
国営企業だけでなく、民間企業も大規模な不良債務者である、と語っている。
中には、ベトナム証券市場でTOPに入る優良企業も入るという。

これらの民間企業は不動産投資のために
数千億VND、数十兆VNDの借金をしているという。
今は不動産市場が固まっているため、投資資金も固まっている状況だ。
また金利も高すぎるため、企業側も返済が思うように進まない状況となっている。

借入のしくみ。国営企業の特権

Cao Sy Kiem元国家銀行総裁は
「銀行と企業が連携すると、穴があるところ全てでリスクが発生し、
 不良社債がどんどん増えている。
 国営企業の借金が大きいため、リスクが発生する時の損も大きい。
 これが今の銀行と企業の関係の暗い面である」と述べた。

国営企業は元々、大規模不良債務者である。
今まで、国営企業への資金貸付に関する基準はなかった。
また、銀行役員も通常国営企業に優先的に対応し、
優遇な貸付措置を適用してきた。
銀行にとって国営企業は、重要な顧客である、
という立場はなかなか拭われないようだ。

国営企業はその活動を政府に保証されているため、
国営企業の借金申請書類は簡単に認められる。
また、国営企業側も簡単に銀行から借金できると分かっているため、
資金管理が甘くなり、集めた資金を効果的に利用するという意識も乏しい。

また、どの銀行でも深い関係のある企業があるので、
これらの企業は、対応時は優先度が高くなっている。
こうした問題が存在しているところには、全て大きなリスクが潜んでいる。

銀行と企業の関係は、信用と双方の利益で維持されている。
ただ、個人的の利益や身内の利益だけを考えて、
貸付規定を無視すれば、後に起こり得るリスクを回避することは難しい。

不動産分野について、
銀行は本来、投資計画の価値の60~70%を貸し付るが、
資産の価値を計算する際、
実際の価値より数段引き上げて何倍もの資金を借り入れる、
ということが横行していた。
実際の売上と利益で、借金が返済できないのは、当然のことである。



Sanotc.com  2012年7月30日

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