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2012年11月05日

公的債務 来年以降も増加見込み


ベトナムへの投資の需要が増加している一方で、
GDP成長率は目標を下回る見込みが強まっている。
公的債務も増加が続いており、
2012年以降も国の借金は増加が続く傾向にある。


上記の公的債務に関する政府報告書は10月30日に、国会に提出されたもの。
報告書は毎年提出されているが、
今年は例年に比べて内容が詳細になっている。

政府の借金調達、活用、返済については、
2011年末までのODAと優遇制度を利用した海外からの借入金が
717億USDに達している。
その中で、協定や、無償援助等政府間で締結された協力資金は、541億USD。
ODA実施額は334.1億USDに達した。

国債発行で国内調達された資金は、
2010年 68.292兆VND、
2011年 80.447兆VND、
2012年には120兆VNDに達すると予測されている。

68%の海外借入金が予算補填に回され、
32%が資金回収の可能性が高い投資に出資されている。

政府によると、公的債務は2015年まではGDPの65%未満で推移するという。
その中で、政府借入金はGDPの50%以下、
海外借入もGDPの50%以下に抑えるという。

2011年末までに、
海外借入金から他の投資案件に貸付を行った資金は、126億USDに達した。
これらは主に電気、石油、造船、農業、
高速道路、空港、港、セメント、都市のインフラ整備等の分野に充てられた。
政府は、いずれも効果的に活動しており、
期限通り返済を行っている、と主張している。

また時期までに、91の投資案件が、
政府保証のもと外国機関から借入を行っている。
借入総額は104.68億USDで、既に返済済みの案件は20件になる。

また、国内で借入を行った案件は16件、
総額は32.1億USDに達する。
うち、8件は返済を完了している。
前年末まで借金の実施額は22.4億USDに達した。

そうした中、最も懸念されている投資案件が、
セメント生産と紙生産となっている。
セメント生産分野では、16件中5件が返済困難の状況に陥った。
紙生産分野も4件中2件が返済困難となっている。
現在財務省は、各投資家、関係省庁とも協力して
これらの財政状況を再建にあたっている。

昨年末までのベトナムの公的債務はGDPの55.4%相当で、
前年同期比1.9%減となった。
そのうち、政府借入は78%を占め、GDPの43.1%相当となっていた。
政府保証の借入は21%で、GDPの11.7%相当、
地方行政の借入は1%で、GDPの0.5%相当であった。

では、主な債権者はだれなのか。
ベトナム国内では、国債投資家が全体の28%を占めている。
海外では日本が最大で、借入全体の17%を占めている。
次点は世界銀行(13%)、
アジア開発銀行(8%)及び他の機関と続く。

2012年以降も、公的債務は増加傾向が続く模様。
また、借入経費もますます増加傾向にある。

2011年12月31日までの債務状況
・海外ODA総額  717億USD
・外国機関からの借入総額 40.8億 USD
・ 政府の貸付総額 103億USD(GDPの8.5%相当)
・ 政府の貸付資金を得た投資計画580件のうち、
返済期間が延期となった案件 55件
・ 公務債務 GDPの55.4%相当(2010年比1.9%減)
(出典:政府の公的債務報告書)



Vneconomy.net 2012年11月5日

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