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2011年10月20日

首相語る~2015年には国の借金をGDPの60~65%に~


今後、政府は経済を再構造し、2015年までに現在より低い成長目標を立て、
国家の借金をGDPの65%以下に抑えることを方針とする。


20日の朝に行われた国会会議において、Nguyen Tan Dung首相は政府を代表し、
2011年における経済社会状況を報告するとともに、2011年~2012年までの
経済開発計画を発表した。

2011年のベトナム経済は、まだ政府に課題が山積されている状態だったが、
年初の不安定な状況は少しずつ積極的な方向に転じており、特に農村エリアでは
社会安全が確保されつつある。しかし、今までの成果はまだ不安定であり、
中でも国際経済は変動しているという背景がある。

2012年に入って、ベトナム政府の今後の目標はインフレの抑制、マクロ経済の
安定化とともに、経済の再構造および経済成長方式の改善となっている。
具体的にはGDPの成長率で6~6.5%、超過輸入額は輸出入総額の11.5~12%、
超過支出額がGDPの4.8%に達するが、これらを次の年から徐々に減少させる。
また、2011年には国の借金がGDPの54.6%を占めると予測されるが、2012年で
58.4%、2015年には60~65%を占めることが今後の目標となる。

2012年に最優先すべきことは経済の再構造、経済成長方式の改善、社会全体での
節約運動実施、節約と投資の差をなくすことである。農村分野への投資とともに、
政府管理機関が中小企業を始め企業の資金調達能力を拡大し、適切な金利制度を
維持させる。

この他の重要目標は財政政策と年度政策を円滑に調整しつつインフレを抑制し、
VNDの価値を安定させながら外貨準備資金を拡大することである。

ベトナム政府は、経済再構造について公的投資、国営企業と、主に銀行などの
金融機関を中心に力を注ぐ。

ベトナム政府は投資について、引き続き公的投資切り下げに関する決定No.11を
実施して緊急案件を優先させる。国家予算で実施される投資案件、国債によって
実施される案件が引き続き投資できない場合は、他の投資方式に変更して投資を
中止する。

また、首相は国営企業セクターの民営化計画を早急に促進させ、国営企業の
活動状況を全面的に評価する必要があると述べた。国営企業は主な営業分野のみで
活動を継続し、国有率が支配権を確保する必要のない企業への国家投資資金の
投資を換金する。

政府は赤字となっている国営企業の活動を改善するとともに、100%国営企業の
組織についても運営方式を改善する。国営企業は業績を公開しなくてはならず、
他の経済セクターと平等に競争しなくてはならない。政府は民間企業セクターの
再構造を促すための政策を実施する。

銀行分野で政府は規模の適切な拡大化を図り、力の無い銀行と金融機関の数を
減少させ、資金貸付や銀行サービスの質を向上させる。また、政府管理機関は
潜在的な発展性が見込める銀行に対して国内・国際競争力を高めるための政策を
実施する。

また、各金融機関が不良社債を的確に管理し、資金の流動性や商業銀行における
ネットワークの安定を確保しなくてはならない。政府はUSD化の状況を徹底的に
解決し、外貨使用の厳格化によってVNDの価値を引き上げる。
長期的には政府管理機関が段階的に投資開発のために商業銀行ネットワークから
調達する資金貸付の比率を減らし、証券市場や社債発行ルートでの資金調達比率を
拡大させる。

2011年~2015年社会経済開発計画については、目の前にある困難状況を踏まえ、
ベトナム政府はGDP成長の目標を6.5~7%と設定した。この目標は共産党大会の
7%~7.5%より低い。

全体的な目標は経済が経済成長方式と経済再構造によって、急速かつ安定的な
成長を見せるとともに、社会福祉を確保することである。政府の計算によると、
2015年までにベトナムのGDPは実数換算で1,800億~1,840億USDに相当する
4,500兆~4,600兆VNDに達すると予測され、これを一人当たりに換算すると
4,900万~5,000万VNDに達することになる。

サイゴンエコノミックスタイムズ  2011年10月20日

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