« FDI申請額、前年同期比31.8%減の53.2億USD | メイン | 銀行ネットワーク市場 金利が年間最低に »

2012年05月25日

今後の国営企業には何が期待できるのか?


VinashinとVinalines以外にも多くの国営企業が赤字となっている。
再構造計画は、この状況を改善できるのだろうか?


Vinalinesの船を操船した者は責任を取らなければならない。
VinalinesではDuong Chi Dung元会長と、その他の役員2人が
「経済管理規定に違反して重篤な損害を発生させた」罪で起訴された。
これは2007年~2010年にわたって行われた違反の結果であり、
最近になって政府調査団が突きとめた。

報告によると、Vinalinesの回収不能な社債は23.063兆VND。
同社は外国から73隻の船を23兆VNDで購入したが、そのうちの17隻が
15年以上利用された中古であり、中には30年の船もあった。
34隻の船が大赤字のため売却しなくてはならない状況で
他にも多くの投資計画で違反が発覚した。

ベトナム国営企業改善開発指導委員会の報告書によると、
ベトナム全体では101社のグループ、公社、商業銀行が
国有率100%である。2010年末の時点では、国営企業の
総資本金は700兆VNDで、国営グループと国営公社の
資本金が653兆VNDである。

Dung氏が会長だったの時の報告は「良好な経営状態」だった。
具体的には2010年の売上が20.934兆VNDで、前年同期比16%増加、
利益で1.241兆VNDに達し、2009年の40%増との報告である。
Vinashin役員の逮捕以前にもVinalinesの役員には同様な動きがあった。
現在はVinalinesがVinashinのバックボーンにしようとした政府の要素が
全て消滅してしまった。

Vinashinの売上は今年の第1四半期で2,820億VNDに達し、
2011年の年初3ヶ月より81.5%の減少となった。
生産総額は9,600億VNDで計画の10.4%にとどまっており、
前年同期比では72.3%のマイナス。
この業績不振により、最近になってVinashinは税金納入遅延の処罰免除を
財務省に申請した。同社は今までベトナム開発銀行から金利ゼロで
借金できたが、税金を納めるための資金がない。

財務省による「2006年~2010年ベトナム経済グループ、国営会社の実情」の
報告書では、2010年末現在で国営会社の総資産が1,799.317兆VNDに達し、
2006年の238%と同等になった。

国営企業の借金は2010年末の時点で1,088.290兆VNDに達しており、
平均株主資本の1.67倍にもなっている。

同報告書によれば、借金/株主資本については30社が3倍以上、
7社が10倍以上、9社が5倍~10倍、14社が3倍~5倍である。


現在、財政が悪化している典型的な例はEVN(ベトナム電力)である。
EVNの借金は2010年末で 239.761兆VND、短期借金が65.493兆VND(27.31%)、
長期借金は 174.268兆VND(72.69%)。これは株主資本の4.22倍に当たる。

昨年末の会計報告書によると、同社の赤字は2011年だけで17兆VND、
累計で40.400兆VNDという巨額になった。
国家監査委員会はEVNが財政困難な状況に陥っていると結論づけた。

サイゴンエコノミックスタイムズ  2012年5月25日

« FDI申請額、前年同期比31.8%減の53.2億USD | メイン | 銀行ネットワーク市場 金利が年間最低に »

    ・本資料に記載された情報の正確性・安全性を保証するものではなく、
     万が一、本資料に記載された情報に基づいて
     皆さまに何らかの不利益をもたらすようなことがあっても 、一切の責任を負いません。
    ・本資料は情報提供のみを目的として作成されたものであり、
     投資その他何らかの行動を勧誘するものではありません。
    ・本資料の全部または一部を無断で複写・複製することを禁じます。

運営会社編集方針お問い合わせプライバシーポリシー