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2009年02月11日

金融投資で大赤字


2008年第4四半期の営業成績発表前、
大半の投資家が上場企業の業績は悪いと予測した。
しかも、財政投資による損失が
業績赤字の大きな割合を占めている。


2008年の会計報告書を2007年のものと比較すると、
多くの会社の財政経費がかなり増加していることが分かる。
財政経費は準備資金、清算の割引、金利を含む。
これは、2008年に株価、為替レート、金利などの異常変動により、
財政経費が急増し、企業の業績に悪影響を与えた、と考えられる。

中でも、上場株と未上場株購入は、
08年の企業赤字に大きく貢献してしまった。
ただ、会計報告書には、
株購入は企業の特徴によって様々な形で掲載されている。

まず、金融、証券分野では、
相場の下落により最も大きな影響を受けることになった。

HASTC上場企業のうち、
2月11日までに営業成績を発表したのは、
Bao Viet証券(BVS)とKim Long証券(KLS)のみであった。
この2社はそれぞれ、4,530億ドンと3,470億ドンの赤字
だった、と発表している。

仲介、財政コンサルティング、発行保証、証券保全など
各部門の売上が軒並み減少したことに加え、
自己売買部門が、企業の赤字をさらに大きくした。
この部門は投資家業界に厳しくチェックされている。
証券会社は自己売買が主な営業部門であり、
財政投資活動の赤字が他の企業と違い、
財政経費ではなく営業経費として計算されている。

KLSの会計報告書の中で注意すべき点は、
第1~3四半期の営業成績が
全て黒字(数十億ドン)であったことだ。
自己売買部門の赤字が第4四半期に始めて計算されるため、
年末の活動経費が急に4,140億ドンになり、
08年全体の経費の65%を占めたことになっている。
ある証券専門家は、KLSはこの計算方式を利用し、
財政投資の損失を年末まで隠していた、と指摘している。

逆に、BVSは各四半期ごとに赤字を計算しているため、
KLSの様に赤字・黒字の急変はなかった。

数日後に発表予定のHPCとSSIの利益は、
自己売買部門による大損失の影響を受けると予想される。

また、VN-Index暴落の悪影響を受けたのは、
金融投資活動を積極的に行った会社である。

中でもHOSEの有価株式のREE。
08年の第4四半期に90億ドン黒字だったはずが、
売上1.1兆ドンから金融投資の準備資金4,670億ドンを引き、
年間で1,520億ドンの赤字となった。
HaSTCでもCMCが短期金融投資で
230億ドンの損失を出している。
HASTCで人気のPANも、
準備資金314億ドンを引き、年間利益はマイナスとなった。

本来の活動分野ではない分野に投資した会社も、
金融投資活動によるマイナスを
準備資金として財政経費項目に入れている。

投資家は、金融投資活動による損失はまだ終わらない、
未上場株式の長期投資品目が今年下落する可能性がある、
としている。
長期投資品目の格差は計算されていないため、
この品目の損失は書類に上がってこない。
また、保全株式の配当金を得ることで、利益を作ると予測されている。

為替レートと金利の増減について、
多くの報告で
6月頃、USD価格が19,000ドンに上がったことと、
公定歩合が年間14%に上がったことにより、
金利と清算の割引が激増している。

例えば、不動産分野で活動している
VITALY (銘柄:VTA)の第4四半期の
財政経費は180億ドンで、
2007年同期の3倍であった。
その中は、金利が財政経費全体の90%も占めている。

輸出企業についても、
ガソリン輸出入会社(銘柄:PIT)の年末営業成績に
為替レートや金利 増減の影響が明確に反映された。
前年同期と比べ、第4四半期の財政経費が3倍に膨れ上がり、
PITは第4四半期に107億ドンの損失となった。

SME証券投資分析班のHoang Thach Lan班長は、
財政経費の急変は、以下の二つの理由で
2009年には起こらないという。

①ベトナム政府が行う10億ドンの経済対策の中で、
貸出金利の4%支援を実施すると共に、
輸出入業の状況を改善するために、
為替レートの支援体制を適用する。
各企業は社債の返済と生産拡大のために、
今の低金利で積極的に借入することが可能になる。

②金融投資の結果は、準備資金の指し引きを通じ
企業の会計報告書内で充分反映された。
当然、各企業が株式保有を続けると、
準備資金の指し引きも続けなくてはならない。
しかし、現在の上場株式価格がかなり下がってきているため、
09年の準備資金が08年よりも大きくなる可能性は低い。

ただ、未上場株式を保有している場合、かなりリスクがある。
未上場株式は流動性が低く、価格も安定しないため、
これらの価値が、額面以下になる可能性は決して低くないのだ。



Vnexpress 2009年2月11日

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