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2009年03月25日

USD/VND取引枠拡大 効果期待大


3月23日、国家銀行は、
USD/VNDの取引枠を+/-3%から+/-5%に引き上げた。


国家銀行は今回の調整を、
経済の柔軟性を高めるため、基本的なマクロ経済の要素
(インフレ低下、2009年第1四半期の貿易バランスの余剰…)
を基にして行われた、としている。

今回の決定は積極的な動きといえ、
特に、市場心理や経済成長に与える影響は小さくないだろう。

この間の、外貨の需給のバランスはまだ取れていない。
各銀行の取引為替レートは、
常に上限いっぱいまで上がっている(1ドル17,500VND)。
自由市場でのUSD価格は、銀行の最高値より高くなっている。

このため、外貨市場での取引は、
市場の状況を正しく反映せず、VNDを切り下げる傾向がある。
国家銀行が変動枠を拡大することで、
各省業銀行もより幅広い取引が可能となる。

新しい決定によると、
各銀行は最高値の1ドル17,800ドンまで取引できる。
これで自由市場のレートと同じになった。

輸出企業に対しては、上昇傾向で為替レート変動枠が拡大されると、
有利な状況となる。
特に、先週USDが、他の通貨より急に安くなったことの影響もある。

為替レートの柔軟な調整は、以前から国家銀行が計画していたもので、
決定は、適切なタイミングを待って発表された。

現在、インフレがコントロールされているため、
インフレ上昇による輸入超過の心配は抑えられている。
更に貿易赤字の問題は、2009年第1四半期、一時的に解決された。
この輸出超過の状態は、今後の数ヶ月に渡って続くものと考えられる。

これらの要素を考慮し、輸出の戦略的めどが立ったことから、
国家銀行は為替レートの調整を決定した。

第1四半期、輸出は前年同期より軽く増加した。
しかし、これは金輸出の影響(20億ドル以上貢献)である。
主な製品の輸出総額は平均で15%~20%を減少している。
為替レートの調整により輸出を支援することは、
今後の輸出支援には重要である。

今回、為替レートの調整は、
インフレや貿易赤字、外貨準備資金に関する「問題」のために
行われたわけではない。
全ての要素は安定しており、コントロール範囲内である。
このため、これらの要素の影響は除く必要がある。

この国家銀行の積極的な動きに対し、
人民の信用は高まっている。

外国投資家にとって為替レートの調整は、
外国投資を促進し、証券市場へ積極的に参加させることに繋がる。
また、「為替レート調整までUSDを持つ」という考えを
減少させることができるだろう。

そして、投資家は外貨国債発行により、金利面で利益を得られる。
先週、1億ドルの外貨国債が年間金利3%で発行された。
今後、引き続き2億ドルの外貨国債が発行予定になっている。
為替レートの変動枠を拡大することは、
国債の金利支払いに関する圧力を減らすことにもなり、
結果的には、VNDの国債の金利も減らす傾向となる。



Vneconomy.net 2009年3月25日

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