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2009年10月31日

在日ベトナム研修生のドロップアウトを防げ!


逃亡率が高いため、ベトナム研修生に対する日本の信用が低くなっている。
日本への研修の需要はまた増加しており、
日本も様々な優遇制度で外国の研修生を受け入れているが、
ベトナム研修生の受け入れ人数はまだ低い状態だ。


ベトナムは1992年から研修プログラムを組み、研修生派遣を開始した。
外国労働者派遣管理局の統計によると、
この17年間で約4万人の研修生が日本へ送られているという。
現在も、約1万7千人が日本で働いている。

逃亡率が高いため、信用が低まっている

ある航空サービス商業企業の社長は、
ベトナムの研修生数は、日本の需要に比べてまだ低すぎる、と語っている。
日本は毎年7万人以上の外国研修生を受け入れているが、
ベトナムは約5,000人を派遣するに留まる状況である。

Le Van Thanh-在京ベトナム大使館総務参事官兼
ベトナム労働者管理班長によると、
ベトナム研修生の受け入れ割合が低い理由は、逃亡率が高いことである、という。
実際、日本への派遣成績は逃亡率と密接に関係する。

在日本ベトナム労働者管理班の統計によると、
2003年の逃亡率が30%を超え、受け入れ人数は3,000人以下に抑えられた。
その翌年から、逃亡率は急減したため、派遣人数は毎年増加に転じている。

Pham Ngoc Dung-外国労働者派遣株式会社(Lod)によると、
多くの研修生が不法に逃亡したため、
多くの日本企業が、ベトナム研修生の受け入れを渋るようになっている。
日本の出入国管理局は、
逃亡があった企業に来る予定となっているベトナム研修生に対し、
査証を発給しないこともある。

また、Nghe An省、Ha Tinh省等の地方の労働者は受け入れないことになった。
これら地方出身の研修生の逃亡率が最も高いためだ。
Lodも、これら地方からの労働者を選択しなくなっている。

借金による圧力 「仕方がないので、逃亡した」

Nghe An省出身のLe Van Hiep氏は、3年間研修生として日本を訪れたが、
その後、1年逃亡していた。
研修中の3年間、最初の年はアルバイトもできないため、
研修の補助金(最低給与の70%)しか貰えず、
貯金もろくにできなかった。
日本は物価が高いため、ベトナムで借りたお金が払えない状況になったという。

Hienさんは「仕方がないので、逃亡した」と語る。

研修生の逃亡問題について、Nghe An省労働社会局員は、
日本に行くため、莫大な経費を払っている(数億VND)こともあり、
不法滞在はしたくないのが本音。
しかし、借金返済のためには不法で働かなくてはならない状況だ。

研修制度を採用する企業の募集要項には、
日本に渡るためには労働者が5,000~10,000USDを負担、とある。
その中の1,500USDが仲介料で、残りは職業訓練費、
逃亡防止のためのデポジットとなっている。
デポジットは10,000USDに上る場合もある。
中には、担保資産を要求する企業もある。

多くの企業が、この経費は高すぎると考えるが、
逃亡防止のためには、高いデポジットを要求する方法しかない。

ただ、労働者派遣専門家によると、
研修生の逃亡率を減らすには、
ベトナム労働者に対する信用を高めると共に、
ベトナム研修生の受け入れ人数を、増やす方法を考えるべきだという。
労働者の経済的な負担も軽減してやる必要がある。
日本のように給与制度や就職環境が整った場所で、借金の圧力がなければ、
ベトナム労働者は、現地の規則に従う意識を高めることになる。
そのためには、労働者の「逃亡防止」への知識を高めることが重要である。



Vneconomy.net 2009年10月30日

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