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2009年11月05日

Texas Pacific Group ベトナムでの2度目の投資


2000年から今まで
ベトナム証券市場に投資していた
外国間接投資案件で
Texas Pacific Group (TPG)の
FPTグループへの2006年10月の投資が
最も成功した案件であり、
今まで最大利益を与えたものである。
その「素晴らしい」取引の後、
TPGは同程度規模の第2の投資案件で
ベトナムに戻ってきた。
今回はMasanグループ(Masan Group)への
投資である。


1回目の投資:
TPG – FPT 投資資金の4倍相当の利益

2006年第4四半期は
ベトナム証券市場が最も活発的な時期である。
一連の会社は優遇な課税制度を得るために
2006年12月31日までに
上場申請書類を提出した。
FPTグループもそのうちの1社である。
ホーチミン証券取引所に上場する2カ月前、
2006年10月24日にFPTは
TPG VentureとIntel Capitalのパートナーを通じて
TPGに10%の株式を3.650億USDで譲渡した。

その時点ではFPTの資本金が
6.080億VNDであるため、
その10%は608億VNDとなる。
TPGがFPTの株式を10万VNDの株価
(額面:1万VND)で購入した。

未上場市場でのFPTの株式は
TPGの購入株価の1.5倍で取引されたが、
「戦略株主」としてTPGが
FPT株式を市場の株価より
安く購入することは容易に推測される。

投資制約によると、
TPGがFPTの株式をFPT上場の日から
最低6カ月は保有しなくてはいけない。
だがね180日はそれほど長くはなく、
TPGが自らの投資の成功を
FPTの上場初日から確信した。
その日にFPT株式は
40万ドンの株価で取引された。
そしてTPGは6カ月後に
HOSEでFPT株式を売却し始めた。
TPGの換金時点でのFPTの株価は
数十回連続で下落した。
高い株価(665,000VND)で
FPT株式を購入した株主は
連続した暴落に非常に驚いた。
TPGの換金の情報を把握できた時に
その状況を知ることになったのである。

TPGに対する10%の株式の売却契約を締結した
ちょうど9カ月後の2007年7月24日に
50%の配当を株式で払った後に
FPTの株価は267,000VNDに下落した。
そして、この短期間で
TPGがFPTへの投資資金の
4倍ほどの利益を取得した。

2回目の投資:
TPG – Masanの先行き

国際経済危機が発生した2008年中に、
TPGをはじめとしたほかの外国投資ファンドが
ベトナム市場への投資チャンスを探していたが、
Masan Groupが出現するまで
すべての交渉が成立しなかった。

TPGがMasan Groupを選択したのは
偶然のことではない。
Masanグループはベトナム国内1位の
Chinsu、Omachiブランドの
調味料、ラーメン、しょうゆの加工・販売会社である
Masan食品加工株式会社(Masan Food)と
Techcombankの合弁会社である。
Masan GroupはMasan Food株式の54.8%、
Techcombank株式の19.99%を保有する。
その他、Hoa Phong Lan会社とHoa Bang会社も
Masan Food株式の18%を所有している。
去年、Masan Foodは
2,570億VNDの資本金の上に対して
3.800億VNDの税引き後利益を達し、
今年に6,300億VND増資したため
6.500億VNDの利益に達すると予測される。

2006年のFPTを選択したのと同様に、
TPGがMasan Groupに投資した理由は
その急速な成長にある。
TPGはMasan Groupの企業能力と
新規の営業分野で突破の営業開発戦略を
持つことに期待している。

ただ、TPGの投資を把握した際
Masan Groupも慎重に検討した。
Masan GroupはTPGとFPTの
「短いパートナーシップ」の経緯を詳しく研究し、
TPGに対して株式を売却しない。
その代わり、2009年9月30日、
Masan Groupは3種類の変更債券を発行した。
各種の債券はTPG Star Masan、TPG Star Masan II、
TPG Star Masan III、TPG Star L.P、TPG Growthが
管理している投資ファンドに
1.800億VNDの価値で発行された。

その後、2009年10月8日、
Masan Groupは追加的に、TPG Star Masanに対して
もう一つの種類の900億VNDの変更債券を発行した。

ここで重要な問題は
TPGがそれらの債券をどのぐらい期間
保有しなくてはいけないか、
変更の割合がいくらか、ということである。
変更債券は2011年4月1日から
Masan Groupの上場日から3年を期限とする
最終日までに株式に変換される。
Masan Groupはホーチミン証券取引所と
2009年10月26日に上場することで
基本的に合意している。

そのため、Masan Groupの案件について、
TPGが株式に変更されるまでに
最低18カ月は債券を保全しなくてはいけない。
この期間はFPT株式の保全期間より
3倍長いである。
また、株式に変更された後も、いつ上場し、
取引できるかはまだ決まっていない。
Masan Groupとの「パートナー契約」により、
TPGが単に財政投資家ではなく、
戦略パートナーとしての役割を担うことを
求められている。

なぜ、TPGが、
このような「複雑なパートナーシップ」を認めるか。
ベトナムの消費の「ブーム」に参加するために
Masan Foodへ投資する方法しかないからである。
また、今回の投資を通じて
TPGがベトナムで優れた発展を見せている
民間商業銀行のTechcombankにも
投資できるようになった。

この1年半で、20%の株式を保有している
戦略株主のHSBCの支援により、
Techcombankはリスク管理を充実させ、
技術応用により経費を節約できるようになった。
現在、同行は、民間商業銀行業界の
第1位、2位であるACB、Sacombankと
直接的に競争している。

420億USDの資金を管理している
外国機関投資家であるTPGの帰還は
ベトナムの間接投資市場の利益創出の
潜在力を現した。
今後、ほかの大規模外国機関投資家が
ベトナム市場に参加することも考えられる。
このように、ベトナム市場の魅力は
まだ高いのである。

そして、Masan Groupの経験を学んで
ベトナム企業は外国投資家との交渉に際し、
ベトナム側の利益を確保し、
外国側と平等の「パートナー」となるのである。



サイゴンエコノミックスタイムズ 2009年11月4日

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