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2011年11月24日

FDI自動車関連企業 ベトナムから順次撤退


2025年の時点でベトナムが10人乗り以下の自動車産業を開発できない場合は
車輸入のために毎年120億USDを支出しなくてはならない。そうなった場合、
ベトナムは巨大な超過輸入額を負担することになる。一番の問題となるのは
ベトナムの自動車市場が外国の調達会社に掌握されることだ。


現在、ベトナムでは自動車の製造や組立の分野で活動する外国投資の関係企業が
全部で12社あるが、2018年以降に何社が生き残っているだろうか?

トヨタベトナムのTachibana社長によれば、2018年の時点では最低でも3社の
FDI自動車会社がベトナムで生き残ると予想されたが、それでも多過ぎで1社も
残らないという意見もあったという。

インタビューを受けた数社の自動車会社がベトナムでの将来の活動計画について
明確に述べなかった。自動車輸入税が0%~5%に引き下げられると、外国から
車が大量に輸入されるため、国内で製造された車が競争できなくなる。
その時点でFDI自動車会社は製造業を撤退し、自動車販売とアフタケアー部門を
拡大する。

この問題について、多くの専門家が2014年までAFTA(アセアン地域)における
自動車輸入税が50%に減らされ、その税金制度でベトナムの自動車組み立て産業が
輸入車と競争できない状況になると考えている。また、2018年に輸入税が0%に
引き下げられた場合、ベトナムの自動車会社は完全に競争できなくなる。

ベトナム国内で組み立てられる車への評価は輸入車より低い。国内の自動車産業が
保護されないと、国内で組み立てられた自動車の競争力が低下し、企業は撤退を
余儀なくされる。

現在、ベトナムの自動産業は発展が望めない分野と分析されている。80%の部品が
輸入されており、自動車市場の規模が小さく、年間販売台数は15万台にとどまり、
消費が制限され、政府の政策が頻繁に変わるため、自動車会社には安心して投資が
できないのだ。

今後の6年間もベトナム自動車産業はあまり発展せず、国内需要に対応できないと
分析されている。技術的な壁が輸入車の大量導入を食い止められない。
自動車産業に関してベトナムの技術は時代遅れであり、先端技術を持った国から
車が輸入されるのを阻止することができない。

例えば、ベトナムは現在Euro2の排気ガス基準を適用しているが、2018年までに
基準をEuro 4に引き上げても車の輸入にブレーキをかけることができない。
自動車産業が発展している国では既にEuro 4基準が適用されている。

ベトナムに代わる注目の外国自動車会社はインドネシア

先頃、日本のトヨタグループがインドネシアに2億USDの投資を行い、Innovaを
年間7万台を生産する予定となっている。現在、トヨタはインドネシアに年間で
30万台の生産能力がある2つの工場持っている。

日産もジャワ工場の生産能力を3倍に引き上げるため、インドネシアに続いて
3.2億USDを投資する計画を発表するとともに、近隣に自動車エンジンの組立工場を
配備する予定である。日産の計画ではこの工場の生産能力を2018年までに年間で
5万台から18万台に伸ばす予定である。

インドネシアは人口が3億人で経済も発展しているため、自動車市場の潜在的な
発展力が大きいと分析されている。この他にインドネシアの裾野産業も急速に発展し、
政府が自動車産業開発における長期的かつ安定的な政策の実施を明言しているため、
外国企業が安心して投資している。

自動車投資の業界では、数年後にはインドネシアが東南アジアで最も大きな規模の
自動車市場となり、人口6億の東南アジア地域に年間1,000万台の車が供給されると
見られている。

逆にFDI企業は最近10年間でベトナムの自動車産業に積極的な投資を行っていない。
過去にはトヨタがベトナムでInnovaを開発する計画があったが、ベトナム政府の
政策が頻繁に変化するため、断念してしまった。10年前にはフォードもベトナムを
魅力的な投資先と評価していたが、現在はベトナムへの投資計画を立てておらず、
タイとフィリピンを中心に投資している。

商工省重工業局のNgo Van Tru次長によると、自動車市場が発展する可能性について
自動車の所有率が1,000人当たりで50台の場合、その国はモータリゼーションの
時期に入るという。その際は車が普及して生活に不可欠な交通手段となる。

現在、ベトナムはモータリゼーションの前期に入っており、1,000人当たりでは
18台の所有率となっている。2020年以降に経済が発展し、一人当たりの収入も
大きくなり、交通のインフラ設備が充実すると、10人乗り以下の車に対する需要は
急激に高まるだろう。

商工省の計算によると、2015年にベトナムは16万6,000台~23万5,000台の新車、
2020年に24万6,000台~34万7,000台の新車、さらに2025年には59万2,000台~
83万6,000台の新車が流通する。バスとトラックの数は27%にとどまり、残りは
個人の車である。

商工省によれば、2015年までにはベトナムの車所有が1,000人当たりで28台、
2020年に1,000人当たり38台、2025年には1,000人当たり88台となる。
それを踏まえた場合、ベトナムのモータリゼーション時期に入るタイミングは
2020年~2025年の間ということになる。

CafeF.vn  2011年11月24日

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