ブルーチップ ベトナム投資ニュース

ViettelのLe Dang Dung副社長によると、2012年の同社の売上は
140兆VNDで、通信分野史上最高の業績を上げることとなった。VNPTの
Phan Hoang Duc副社長は、2012年にVNPTの売上が130兆VNDに達すると
予想している。

国内・外国の両市場を促進させるViettel

RobennyのRobert Tranアジア地域戦略コンサルティング担当社長（カナダ）は
「ベトナムでは携帯電話サービスの利率が高い。携帯電話加入者は1日平均で
1USDの売上を生む。現在、ベトナム最大の通信会社3社が1日数百万USDの
収入を獲得している」と述べた。

VNPTより遅れて市場に参入した国防省付属のViettelが急激に発展している。
2008年にIntangible Business（イギリスの格付け評価会社） がViettelを
世界の大手通信会社100社の中で83位に格付けした。この評価によって、
Viettelブランドの価値は5.36億USDとなり、シンガポールのSingTelと
StarHub、マレーシアの DiGi、インドネシアの Indosatを超えた。

2011年にはベトナム国内で数千社が深刻な営業不振に直面したが、通信分野、
特に携帯電話サービス分野は記録的な利益を達成した。ictpress.vnに
掲載された情報ではViettelが約20兆VNDの利益を達成し（売上は117兆VND）
VNPTの約2倍を樹立した。中でも携帯電話サービスの売上は全体の40～50％を
占めている。

VNPTを超えることは今までの通信分野では想像も出来なかったことである。
だが、数週間後にViettelがVNPTを超える可能性は高い。同社はどうやって
この成功を実現させたのだろうか？

それはViettelが携帯電話サービスを「金の卵を産む鶏」として利用し、目標を
国内シェア50％の把握に設定したことにある。同社は外国に最も大きな投資を
行った通信会社となり、2015年までに世界の大手携帯電話会社30社に入る目標を
立てたのだ。

Viettelは2011年～2015年の間にベトナム国内で、段階的に都会と農村での
市場を拡大させる戦略を実行している。同社は農村にシェア拡大の余地があると
確信し、2Gと3Gの発信ステーションを設置した。ベトナムの各村に最低一本の
発信ステーションが整備される。都会では学生、一般労働者、オフィススタッフを
中心にサービスが提供される。この戦略が料金、サービス質、販売ネットワーク、
アフタケアーサービス等の対策を作成させた。

現在、Viettelは11種類の携帯電話料金プランを提供している。大学生向けが
最も低コストでViettelネットワーク内の通話料金は1分当たり1,390VND、
メッセージの送信料金が1件100VNDである。サービスの質に関する調査結果では
Viettelの評価が一番高く、選択比率は26.7％に達している。

販売ネットワークについては全国の代理店を通じてSimの販売を実施するか、
各省、市に独占販売支部を設立する。また、現地コーディネーターの利用も出来、
遠方の住人でもViettelサービスのＰＲを受けられる。このネットワークと共に
同社ではアフターケアにも力を入れている。ハノイ市とホーチミン市に２つの
サービスセンターを設置し、5,500人のスタッフが24時間体制で問い合わせを
受けることが可能。１時間に平均15,600回の問い合わせに対応している。

最近、ViettelはEVN Telecomを買収し、マーケットのシェアが1.4％増えた。

Viettelの労働生産能力は、これらの営業戦略によって47億VND/人/年となり、
比株主資本の利益は2011年で48.3％に達した。これは通信分野の中で一番高い。

Viettelは国内市場と共に海外市場にも大規模な投資を行っている。同社は
2011年に海外市場で5.779兆VNDの売上を達成し、前年比で33％増加した。
Viettel Globalはタンザニア、東チモール、ラオス、カンボディア、
モザンビーク、ハイチおよびペールに11兆VNDの投資を行った。

対抗馬「VNPT」の動向

携帯電話加入者数は5,800万人のViettelが最も多い（2011年情報通信省の統計）。
だが、MobifoneとVinaphoneの2社に限定するとVNPTが1位で約8,300万人の
加入者を抱えており、簡単にシェアを譲らないだろう。

VNPTは最近になって情報通信省にVNPT再構造計画を提案した。その中でも重要な
内容は「金の卵を産んでいる鶏」であるMobifoneとVinaphoneの合併要請だ。
この案件は競争法に違反する。しかし、VNPTは首相に特別認可を求めている。

この計画が実現した場合、VNPTはシェアを保持できると同時に、インフラ整備の
経費を節約することができる。また、海外への進出も可能となる。